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敬語の現実

2013-12-29 | 新日本語百科
敬語が使われるのは日本語の場面においてそれぞれである。日本語の言語現象に敬語を見るのは話し言葉、書き言葉のいずれにおいてもその使い分けがあることを知る。敬語という語法を日本語の現代語の現象に当てはめた尊敬、謙譲、丁寧の分類は変えられるべきである。時代的な社会構造には絶対の敬語、相対化した貴族の敬語、武家と臣下謙譲、公卿と民衆の丁寧、そして庶民に浸透する敬語が文法になったときに、身分における謙譲の区分を意味内容ともに捉えなおすべきであった。

200年にわたって鎖された文化の果てに区別をしていた時代から、現代の市民の社会の説明ににふさわしくないからであるが、それは1900年代の半ばまで社会的場面に当然のことととして謙譲そのものが機能していたのであるからその考え方を変えるのは難しい。謙譲をそのままに尊敬に対比して用い得るのは日本の時代において大まかなところで豪族貴族の世から封建制までであろうか。しかし近代化を遂げて身分制には平等が実現したかのようでありながら王族貴族の上層は形を変えて存続したために言語の現象に明らかに身分差別が存在する。

これからの敬語が皇室の敬語の過剰使用を変えていく動きを示したのは敬語の指針となって時代の変化を受け容れた。それは言葉において敬意とはなにかをとらえ、敬意表現とするものであった。いまだそこには尊敬、謙譲及び丁寧とあり、丁重、美化に加えてひろく言葉遣いを見ようとする。皇室敬語は国家の体制からかつては帝王の言語として位置づけられようとしたかのごとくであったが、その近代の帝国は既になく、あるのは民主国家の現代である。この時代、この国家にふさわしい敬語はどうあるべきであろう。


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