日本人にとって人間とは捉えがたい言葉である。人、ひとびと、そして人の間として人間を言う。じんかん 、と語を読むことはほとんどないので、人間は、にんげん のままに、人類としての存在がある。その人間性をとらえれば、日本人の性格であり、国民性であり、一概にはできないものである。人間そのものであること、人間らしくあること、などなど、日本人の特性をあらわす、この語にわたしたちの捉え方がすでにあらわされている。世界がある、人間界がある、世の中がある、人と人とがかかわりあうところに日本人は存在している。ヒューマニズムを人間主義とでも、人道主義とでも、人文主義とでも、人本主義とでも、その意味内容を近代西欧における主義主張とする言葉でとらえて、カタカナの語で表す概念とする経緯がある。さて、それならばと、日本の地域に根差す人間性とはどのようなものであるかと、あらためて考え成すと、儒教による道徳と、仏教による生命および倫理に基づく、それこそが人間界のこととなる。原始日本の、わたしたちの祖先が自らを人間とし認識し、自覚を持ったものとは何であったのか。
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説
ヒューマニズム
humanism
人間性の尊重,人間の解放を目指す思想,態度。語義,内容は多様であるが,一般的には人道主義,人本主義,人間主義,人文主義などの訳語があてられる。ヒューマニズムは,キケロに始り,近世初頭のイタリア・ルネサンスのペトラルカ,さらに 15世紀から 16世紀にかけてのエラスムス,トマス・モア,17世紀から 18世紀にかけて J.マビヨンというように,ヨーロッパの伝統として保たれている。
デジタル大辞泉の解説
ヒューマニズム(humanism)
1 人間性を称揚し、さまざまな束縛や抑圧による非人間的状態から人間の解放を目ざす思想。
㋐「人文主義」に同じ。
㋑17~18世紀にイギリス・フランスで、普遍的な人間性を認め、いくつかの市民革命の指導理念となった思想。市民的ヒューマニズム。
㋒新人文主義。ネオヒューマニズム。
㋓資本主義による人間の自己疎外から人間性の回復を目ざすプロレタリア階級の運動。社会主義的ヒューマニズム。
2 人道主義。
世界大百科事典 第2版の解説
ヒューマニズム【humanism】
ヒューマニズムとは,(1)ごく一般的には,人間の本性(人間性)とさまざまな人間的事象に関心と愛情を抱き,人間の特殊性に固有の価値と尊厳を認め,非人間的なものに対してそれを擁護しようとする態度ないし志向を指す。(2)歴史的には,西欧ルネサンス期にあらわれた古典的学芸の復興を通じて人間性の陶冶(とうや)をはかろうとする学問・教育理念を原型として,そのさまざまなバリエーションがあり,(3)さらに(1)のような一般的態度を,より理論化して,人間性の内容を規定し,何に対し,何に向かってそれを解放し再生させるかを探究し,主張する思想的な立場ないし潮流を指す。
大辞林 第三版の解説
ヒューマニズム【humanism】
人間中心,人間尊重を基調とする思想態度。「人間」の捉とらえ方により種々の形態がある。
①古典的教養に人間像を求め,これを志向する思想・運動。
㋐「 人文主義 」に同じ。
㋑一八~一九世紀ドイツの,シュトゥルム-ウント-ドラングに始まる諸文化。人間の教養,調和的自己発展を説く。
②西欧近代の人間中心主義。
㋐一七~一八世紀英・仏の普遍的人間の理念に基づいて市民革命を理論づけた思想。
㋑資本主義の疎外からの人間解放を求めるマルクス主義的ヒューマニズム。
③「 人道主義 」に同じ。
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説
ヒューマニズム
humanism
人間性の尊重,人間の解放を目指す思想,態度。語義,内容は多様であるが,一般的には人道主義,人本主義,人間主義,人文主義などの訳語があてられる。ヒューマニズムは,キケロに始り,近世初頭のイタリア・ルネサンスのペトラルカ,さらに 15世紀から 16世紀にかけてのエラスムス,トマス・モア,17世紀から 18世紀にかけて J.マビヨンというように,ヨーロッパの伝統として保たれている。
デジタル大辞泉の解説
ヒューマニズム(humanism)
1 人間性を称揚し、さまざまな束縛や抑圧による非人間的状態から人間の解放を目ざす思想。
㋐「人文主義」に同じ。
㋑17~18世紀にイギリス・フランスで、普遍的な人間性を認め、いくつかの市民革命の指導理念となった思想。市民的ヒューマニズム。
㋒新人文主義。ネオヒューマニズム。
㋓資本主義による人間の自己疎外から人間性の回復を目ざすプロレタリア階級の運動。社会主義的ヒューマニズム。
2 人道主義。
世界大百科事典 第2版の解説
ヒューマニズム【humanism】
ヒューマニズムとは,(1)ごく一般的には,人間の本性(人間性)とさまざまな人間的事象に関心と愛情を抱き,人間の特殊性に固有の価値と尊厳を認め,非人間的なものに対してそれを擁護しようとする態度ないし志向を指す。(2)歴史的には,西欧ルネサンス期にあらわれた古典的学芸の復興を通じて人間性の陶冶(とうや)をはかろうとする学問・教育理念を原型として,そのさまざまなバリエーションがあり,(3)さらに(1)のような一般的態度を,より理論化して,人間性の内容を規定し,何に対し,何に向かってそれを解放し再生させるかを探究し,主張する思想的な立場ないし潮流を指す。
大辞林 第三版の解説
ヒューマニズム【humanism】
人間中心,人間尊重を基調とする思想態度。「人間」の捉とらえ方により種々の形態がある。
①古典的教養に人間像を求め,これを志向する思想・運動。
㋐「 人文主義 」に同じ。
㋑一八~一九世紀ドイツの,シュトゥルム-ウント-ドラングに始まる諸文化。人間の教養,調和的自己発展を説く。
②西欧近代の人間中心主義。
㋐一七~一八世紀英・仏の普遍的人間の理念に基づいて市民革命を理論づけた思想。
㋑資本主義の疎外からの人間解放を求めるマルクス主義的ヒューマニズム。
③「 人道主義 」に同じ。