地政学 Geopolitics ジオポリティクスは、地理的な環境が国家に与える政治的、軍事的、経済的な影響を、巨視的な視点で研究するものである、と見える。また、イギリス、ドイツ、アメリカ合衆国などで国家戦略に科学的根拠と正当性を与えることを目的として発達した、とも説明する。関連するのは、歴史学、政治学、地理学、経済学、軍事学、文化学、文明、宗教学、哲学など、広範である。この学問は日本の版図拡大に利用とした軍国主義の時代を経て、その結果に、理論が差別的に排斥された、というので、この語をもって近海、大陸とかかわる地勢の視点を地政学として欠いているか、その議論が見られない。日本は戦争ですべてを失って、なお、回復に至らない。
ウイキペディアより
>また、日本においても、昭和初期に、ドイツとの地理的な類似性からドイツ地政学の影響を大きく受けており、小牧実繁が『日本地政学宣言』(弘文堂書房、1940年)を著し、「大東亜共栄圏」の概念を形成し、また、岩田孝三の『国防地政学』(帝国書院、1943年)においても、その地政学理論を日本の拡張政策に結びつけるべきであるとの記述がみられる。
地政学の理論が当時の政策立案に決定的な影響を与えたことを立証することはできないが、このような地政学の姿勢というものは、日本では軍国主義の理論として差別的に排斥された。特に、国際関係を地理的要因、軍事的要因のみで分析する地政学的アプローチは、経済、通商、投資関係が国際関係を説明する極めて重要な要素であることをまったく無視していることからして致命的欠陥がある。