2016年の仕事始めは4日月曜となる日のめぐりあわせで、休みが正月で終わる。
この暦のめぐりはいつかはこうなるときがあるだろうとは思うものの、祝休日が日曜日となって、ハッピーマンデー法があるわけだから、振替休日とはならないのかと思ってしまう。
庶民の感情は法の条文の取り決めによるところ、よくわからないが、2015年が画期となるできごとのあっただけに、もう少しゆとりを持った仕事始めにしたいと思うものの、偶然にも、そうなならない情勢があるのだろう。
日のめぐりは計算されていて、それと気候が合わさると、この2016年のように新春がまさに春のようなこととなってこれも記録されるにちがいない。
そしていま、1年の計は元旦にありなどとの教訓でどういうふうになるだろう、どういう年にしようかなど、申年の始まりである。
三猿という。
見ざる聞かざる言わざるのことである。
語呂合わせにあることわざかと思っていたが、それなりに、各地で伝播することであるので、日本が際立つように印象を残すのはその意匠による彫り物のせいである。
江戸初期の左甚五郎作と伝える日光東照宮のレリーフ
検索してみると、論語にあることを、次のようなことと解説している。
ウイキペディアより。
>『論語』に「非礼勿視、非礼勿聴、非礼勿言、 非礼勿動」(礼にあらざれば視るなかれ、礼にあらざれば聴くなかれ、礼にあらざれば言うなかれ、礼にあらざればおこなうなかれ)という一節がある[4]。一説に、こうした「不見・不聞・不言」の教えが8世紀ごろ、天台宗系の留学僧を経由して日本に伝わったという。三猿のモチーフは、庚申信仰の伝播とともに近世以降広く用いられるようになり、主尊の青面金剛を描く際、その足元に三猿が添えられた例が多い。
^3 世界の三猿-その源流をたずねて』 人文書院 2009年
^4 中国では今日でも妊娠中の女性は胎教の観点から「目は悪色を視ず、耳は淫声を聴かず、口は敖言を出さず」という戒めを受ける。朝鮮半島においても、結婚前の女性は「見ても見ぬふり、聞いても聞こえないふりをして、言いたくても言うな」と教育される。
見猿聞か猿言わ猿
See no evil, hear no evil, speak no evil. - 英語ことわざ教訓辞典
見ざる聞かざる言わざる。
See nothing, hear nothing, say nothing. - Tanaka Corpus
干支で猿に例えられるため、「見ざる、言わざる、聞かざる」の三猿を彫られることや庚申の祭神が神道では猿田彦神とされることから、猿田彦神が彫られることもある。
Since koshin is compared to a monkey in the Oriental zodiac, the three wise monkeys 'which neither see, speak nor listen' are sometimes carved, and since the enshrined deity of the koshin festival is regarded as Sarutahiko no kami in Shinto religion, it is also carved.
見ざる聞かざる言わざる
読み方:みざるきかざるいわざる
見猿聞か猿言わ猿 とも書く
文法情報 (表現)
対訳 see no evil, hear no evil, and speak no evil; the three wise monkeys
英語、ことわざ10選-3. Hear no evil, see no evil, speak no evil.
http://www.tm-eisei.co.jp/proverb/proverb-a/pro-5.html
>
In a world where religious fanaticism can be identical with terrorism and suicide can be, as in the case of suicide bombings, synonymous with homicide, not seeing or hearing any evil is anything but easy. Still, it is within our power to speak no evil.
(宗教的熱狂がテロであり、自殺が自爆テロのように殺人でありえる世にあって、見ざる聞かざるは容易ならざること。それでも言わざるは実行できることですね)
目、耳、口を手でふさいだ「三猿」の置物つきで「見ざる、聞かざる、言わざる」の「3ざる」とくれば、猿はニッポンザルで、諺の原作者はニッポン人と思ってしまいますが、原産地は古代オリエントのようですね。この東洋の知恵の「3ざる」は西洋にも輸出され、英語の知恵――表現テクニック――でめかしこんだのがこのno evilの3つ揃え。その知恵の名は「3のテクニック」、かの有名なリンカーンのgovernment of the people, by the people, for the peopleと同じ3つの手法――1.同語句(no evil、the people)の3反復 2.並列(parataxis) 3.漸層法(climax)――を併用するパワフルな3のテクニック。
「人の批判を恐れず、自ら信ずることを言動で表せ」と直接言わずに、3のテクニックで反語的に表現したのは以下。
To avoid criticism, do nothing, say nothing, be nothing.
(批判されたくなかったら、何もせず、何も言わず、何てことない人でいることだ)
Elbert Hubbard
同一の否定語(no evil、nothing)の「3」反復、接続詞(ここではand)を使わない並列構造、並列した3語句の3つ目を一番重くする漸層法仕立――と造りは全く同じと見えて、一味違うのがbe nothingの構造。補語nothingは「取るに足らない人」の意で肯定語、つまりbe nothingは肯定文、nothing = not anything(Do nothing. = Don't do anything./Say nothing. = Don't say anything.)のイコール関係からBe nothing. → *Don't be anything.と変形することはできません。同一語(nothing)の「3」反復でも、実は同一の否定語(nothing)ではないこのnothingのすり替えトリックはsomething(なかなかのもの)。
この暦のめぐりはいつかはこうなるときがあるだろうとは思うものの、祝休日が日曜日となって、ハッピーマンデー法があるわけだから、振替休日とはならないのかと思ってしまう。
庶民の感情は法の条文の取り決めによるところ、よくわからないが、2015年が画期となるできごとのあっただけに、もう少しゆとりを持った仕事始めにしたいと思うものの、偶然にも、そうなならない情勢があるのだろう。
日のめぐりは計算されていて、それと気候が合わさると、この2016年のように新春がまさに春のようなこととなってこれも記録されるにちがいない。
そしていま、1年の計は元旦にありなどとの教訓でどういうふうになるだろう、どういう年にしようかなど、申年の始まりである。
三猿という。
見ざる聞かざる言わざるのことである。
語呂合わせにあることわざかと思っていたが、それなりに、各地で伝播することであるので、日本が際立つように印象を残すのはその意匠による彫り物のせいである。
江戸初期の左甚五郎作と伝える日光東照宮のレリーフ
検索してみると、論語にあることを、次のようなことと解説している。
ウイキペディアより。
>『論語』に「非礼勿視、非礼勿聴、非礼勿言、 非礼勿動」(礼にあらざれば視るなかれ、礼にあらざれば聴くなかれ、礼にあらざれば言うなかれ、礼にあらざればおこなうなかれ)という一節がある[4]。一説に、こうした「不見・不聞・不言」の教えが8世紀ごろ、天台宗系の留学僧を経由して日本に伝わったという。三猿のモチーフは、庚申信仰の伝播とともに近世以降広く用いられるようになり、主尊の青面金剛を描く際、その足元に三猿が添えられた例が多い。
^3 世界の三猿-その源流をたずねて』 人文書院 2009年
^4 中国では今日でも妊娠中の女性は胎教の観点から「目は悪色を視ず、耳は淫声を聴かず、口は敖言を出さず」という戒めを受ける。朝鮮半島においても、結婚前の女性は「見ても見ぬふり、聞いても聞こえないふりをして、言いたくても言うな」と教育される。
見猿聞か猿言わ猿
See no evil, hear no evil, speak no evil. - 英語ことわざ教訓辞典
見ざる聞かざる言わざる。
See nothing, hear nothing, say nothing. - Tanaka Corpus
干支で猿に例えられるため、「見ざる、言わざる、聞かざる」の三猿を彫られることや庚申の祭神が神道では猿田彦神とされることから、猿田彦神が彫られることもある。
Since koshin is compared to a monkey in the Oriental zodiac, the three wise monkeys 'which neither see, speak nor listen' are sometimes carved, and since the enshrined deity of the koshin festival is regarded as Sarutahiko no kami in Shinto religion, it is also carved.
見ざる聞かざる言わざる
読み方:みざるきかざるいわざる
見猿聞か猿言わ猿 とも書く
文法情報 (表現)
対訳 see no evil, hear no evil, and speak no evil; the three wise monkeys
英語、ことわざ10選-3. Hear no evil, see no evil, speak no evil.
http://www.tm-eisei.co.jp/proverb/proverb-a/pro-5.html
>
In a world where religious fanaticism can be identical with terrorism and suicide can be, as in the case of suicide bombings, synonymous with homicide, not seeing or hearing any evil is anything but easy. Still, it is within our power to speak no evil.
(宗教的熱狂がテロであり、自殺が自爆テロのように殺人でありえる世にあって、見ざる聞かざるは容易ならざること。それでも言わざるは実行できることですね)
目、耳、口を手でふさいだ「三猿」の置物つきで「見ざる、聞かざる、言わざる」の「3ざる」とくれば、猿はニッポンザルで、諺の原作者はニッポン人と思ってしまいますが、原産地は古代オリエントのようですね。この東洋の知恵の「3ざる」は西洋にも輸出され、英語の知恵――表現テクニック――でめかしこんだのがこのno evilの3つ揃え。その知恵の名は「3のテクニック」、かの有名なリンカーンのgovernment of the people, by the people, for the peopleと同じ3つの手法――1.同語句(no evil、the people)の3反復 2.並列(parataxis) 3.漸層法(climax)――を併用するパワフルな3のテクニック。
「人の批判を恐れず、自ら信ずることを言動で表せ」と直接言わずに、3のテクニックで反語的に表現したのは以下。
To avoid criticism, do nothing, say nothing, be nothing.
(批判されたくなかったら、何もせず、何も言わず、何てことない人でいることだ)
Elbert Hubbard
同一の否定語(no evil、nothing)の「3」反復、接続詞(ここではand)を使わない並列構造、並列した3語句の3つ目を一番重くする漸層法仕立――と造りは全く同じと見えて、一味違うのがbe nothingの構造。補語nothingは「取るに足らない人」の意で肯定語、つまりbe nothingは肯定文、nothing = not anything(Do nothing. = Don't do anything./Say nothing. = Don't say anything.)のイコール関係からBe nothing. → *Don't be anything.と変形することはできません。同一語(nothing)の「3」反復でも、実は同一の否定語(nothing)ではないこのnothingのすり替えトリックはsomething(なかなかのもの)。