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2023年7月の世界の平均気温が観測史上最高となる見通しから生まれた言葉だそうだ。国連のアントニオ・グテーレス事務総長が地球沸騰化と言った。地球温暖化の時代は終わり、地球沸騰化の時代が到来した、と。地球温暖化と地球沸騰化と、気温の上昇から見通しとなる言い回しである。
1880年〜2012年の間 世界の平均気温 0.85℃上昇
2023年7月 1880年前後の7月と比べ 1.5℃上昇という見方
カーボンネガティブ
カーボンニュートラル CO2排出量とCO2吸収量の差、実質ゼロ
>世界気象機関(WMO)と欧州委員会の気象情報機関「コペルニクス気候変動サービス」は、2023年7月27日に「2023年7月が人類史上最も暑い月となる」と発表し、それを裏付ける科学的な公式データを発表しました(※1)。これを受け、国連のアントニオ・グテーレス事務総長は記者会見で「地球沸騰化の時代が到来した(The era of global boiling has arrived)」と語りました。「地球沸騰化」という言葉は瞬く間に世界中に広まり、共感や驚きの声が上がりました。
「地球温暖化」から「地球沸騰化」の時代へー今とるべき対策とは?
https://www.docusign.com/ja-jp/blog/what-can-we-do-about-global-boiling
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国連のアントニオ・グテーレス事務総長は7月27日、ニューヨークの国連本部で記者会見
グテーレス事務総長の発言全文を翻訳し掲載する。(オルタナ編集部)
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7月は人類史上最も暑い月に
人類は窮地に立たされています。本日(7月27日)、世界気象機関(WMO)と欧州委員会の気象情報機関「コペルニクス気候変動サービス」は、7月が人類史上最も暑い月となることを裏付ける公式データを発表しました。7月が最も暑い月であることを知るのに月末まで待つ必要はありません。今後数日でミニ氷河期が訪れなければ、7月の暑さは軒並み記録を破るでしょう。
本日発表のデータによると、7月はすでに観測史上最も暑い3週間となっています。7月3日から5日までは史上最も暑い3日間でした。そしてこの時期の海水温は過去最高となりました。
結果は明らかであり、悲劇的です。モンスーンの雨で子供たちが流されました。山火事が発生し、炎から逃げる一家もいます。灼熱の暑さの中で倒れる作業員もいます。
北米、アジア、アフリカ、ヨーロッパの広大な地域で、残酷な夏となっています。地球全体にとって、この夏は災害です。そして科学者にとっては、その責任が人間にあることは明白です。
こういったことは、これまで予測され、繰り返し警告されてきました。驚くのは、気候変動のスピードです。気候変動はすでに起こっています。恐ろしいことです。そして、現在の気候変動はほんの始まりにすぎません。
地球温暖化の時代は終わりました。地球沸騰化の時代が到来しました。もはや空気は呼吸するのに適していません。暑さは耐えがたいものです。そして、化石燃料で利益をあげて気候変動への無策は容認できないものです。
リーダーたちは先頭に立たなければなりません。もう躊躇する必要はありません。言い訳は無用です。誰かが動くのを待つ必要はもうありません。もはやそのような時間はありません。
地球の気温上昇を1.5℃に抑え、気候変動による最悪の事態を回避することはまだ可能です。しかし、それには劇的で即座の気候変動対策が不可欠です。
一定の進捗は見られました。再生可能エネルギーの強力な展開です。海運などのセクターからはいくつかの前向きな施策が見られました。しかし、いずれも十分な進歩や速さではありません。気温上昇に対しては加速した行動が必要です。
今後、いくつかの重要な機会があります。アフリカ気候サミットや、G20サミット、国連による「気候野心サミット」、COP28です。しかし指導者たちは、とりわけ世界の排出量の80%に責任を負うG20諸国は、気候変動対策と気候正義のために対策を強化しなければなりません。それはどういうことなのでしょうか。
まずは排出量削減です。G20加盟国から新しい野心的な温室効果ガス削減目標が提出されることが必要です。そして、すべての国が気候連帯協定とアクセラレーションアジェンダに沿って行動を起こす必要があります。先進国は2040年に、そして新興国は先進国からの支援を受けて2050年にできるだけ近い時期のネットゼロにコミットするよう、対策を加速していかなければなりません。
そして、石油やガスの使用拡大、石炭、石油、ガスへの新たな資金提供やライセンス供与を止めるために、化石燃料から再生可能エネルギーへの公正かつ公平な移行の加速に向けて、すべての関係者が団結しなければなりません。経済協力開発機構(OECD)諸国は2030年までに、その他の国々は2040年までに石炭から撤退するための信頼できる計画も提示しなければなりません。
野心的な再生可能エネルギーの導入目標は、気温上昇を1.5℃に抑えるものでなければなりません。そして、地球上のすべての人に手ごろな価格の電力を提供するために、先進国は2035年までに、その他の国は2040年までに電力セクターのネットゼロを達成する必要があります。
政府以外のリーダーたちによる行動も必要です。企業や自治体、地域、金融機関に対し、ハイレベル専門家グループが提示する国連のネットゼロ基準に完全に沿った信頼できる移行計画を持って気候野心サミットに参加するよう強く求めます。
金融機関は化石燃料の融資、引受、投資をやめ、代わりに再生可能エネルギーに移行する必要があります。そして、化石燃料企業は、バリューチェーン全体にわたる詳細な移行計画を立てて、クリーンエネルギーへの移行を計画しなければなりません。
グリーンウォッシングはもう必要ありません。これ以上の欺瞞はありません。そして、ネット・ゼロ・アライアンスを妨害するために独占禁止法を歪曲して悪用することは無用です。
第二に、適応です。異常気象はニューノーマルになりつつあります。すべての国は、その結果生じる灼熱や、致命的な洪水、嵐、干ばつ、猛火に対応し、これらから国民を守らなければなりません。最前線にいる国々はそのようにするために支援が必要です。これらの国々は、地球規模の危機に対しての責任が小さく、危機に対処するための資源もほとんどありません。
気候変動という大虐殺から何百万もの命を救うために、適応への投資を世界的に急増させる時です。そのためには、脆弱な発展途上国の優先順位と計画について、前例のない調整が必要です。先進国は、気候変動対策の資金の少なくとも半分を適応に充てるための第一歩として、2025年までに適応資金を倍増させるための明確で信頼できるロードマップを提示する必要があります。
私たちが昨年立ち上げた行動計画を実施することにより、2027年までに地球上のすべての人が早期警戒システムの対象となる必要があります。そして各国は、適応に関する国際的な行動と支援を動員するための一連の世界的な目標を検討すべきです。
このことは、行動を加速させる3番目の分野である、金融につながります。国際的な気候変動に関わる金融に関する約束は守られなければなりません。先進国は、気候変動対策支援のために途上国に年間1000億ドルを提供し、緑の気候基金を全額補充するという約束を遵守しなければなりません。
私が懸念しているのは、これまでに拠出を約束したのがカナダとドイツというG7の2カ国だけだということです。各国は今年のCOP28でもロス&ダメージのための基金を運用しなければなりません。もう遅延も言い訳もいりません。
さらに広く言えば、多くの銀行、投資家、その他の金融関係者が汚染者たちに報酬を与え、地球破壊を奨励し続けています。
加速する気候変動対策をサポートするために、世界の金融システムの軌道修正が必要です。これには炭素価格を設定し、世界銀行やアジア開発銀行などといった国際開発金融機関にビジネスモデルとリスクへのアプローチを徹底的に見直すよう促すことが含まれます。
私たちは、国際開発金融機関がその資金を活用して、発展途上国にリーズナブルなコストでより多くの民間資金を動員し、再生可能エネルギー、適応、損失と損害への資金提供を拡大する必要があります。
これらすべての分野で、政府、市民社会、企業などが協力して成果を出す必要があります。9月の気候野心サミットで、アクセラレーション・アジェンダの先駆者や実行者をニューヨークに招待することを楽しみにしています。そして、私たちの目の前にある事実に対して指導者たちがどのような反応をするか、期待しています。
人類が破壊的な気候変動を引き起こしたという証拠はいたるところにあります。このことは絶望を引き起こすのではなく、行動を引き起こすものでなければなりません。最悪の事態を防ぐことはまだ可能です。しかし、そのためには、灼熱の年から野心が燃える年に変える必要があります。そして気候変動対策を今すぐ加速させましょう。
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オルタナ編集部
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サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。
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