37 「いただきます」「ごちそうさま」とはだれに対する敬語なの?
いただきます ごちそうさま この二つを食事の習慣的な挨拶に、食べる前と食べた後に用いる。
それについて、敬語であるとする、だれに対するか、という質問である。
いただく について、もらう の謙譲語とする説明がある。
敬語となるから、敬意の対象はだれにということになるのだろう。
しかし、これは対象を求めると明確ではない。
食事を用意している、食材を提供してくれる、その膳をしつらえてくださるなど説明がありそうだ。
中には動植物の命をいただくなどと言う宗教的、民族的な解釈があって、その対象はとなると神や仏、万物の創造主となるのだろうか。
一方、ごちそうさま については、馳走の字義を宛てて、ご馳走 というふうに丁寧に使ううえで、挨拶語として、ご馳走さま となっている。
丁寧な言葉であるから敬語であるとして、さてこれまた、だれに対するものか。
走り回って食材を調達した人などへ敬語を使っているということになるのか。
食べた後のあいさつとして、ごちそうさま でした と言うようになったのは、江戸時代後期の言とだと説明するものがあるので、儀礼語としての用法には、もてなしを受けて、もてなしをした方への敬語と見るのがよいだろう。
デジタル大辞泉
いただ・く【頂く/▽戴く】
[動カ五(四)]
1 頭にのせる。かぶる。また、頭上にあるようにする。「王冠を―・く」「雪を―・いた山々」「星を―・いて夜道を行く」
2 敬意を表して高くささげる。頭上におしいただく。「宸翰(しんかん)を―・く」
3 敬って自分の上の者として迎える。あがめ仕える。「有識者を会長に―・く」
4 「もらう」の謙譲語。「激励の言葉を―・く」
5 「食う」「飲む」の謙譲語。
㋐与えてくれる人を敬っていう。「もう十分に―・きました」
㋑自分の飲食することをへりくだり、上品にいう。「お酒も少しは―・きます」
[補説]近年、「食う」「飲む」の謙譲語「いただく」を「どうぞ冷めないうちに頂いてください」のように尊敬語として使う人がいる。誤用であるが増えてきている。
6 苦労もなく、手に入れる。「今度の試合は―・いたも同然だ」
7 《「小言をいただく」の意から》しかられる。小言をくう。また、しそこなう。
「道理で茶番のたんびに―・くはずだあ」〈滑・八笑人・初〉
8 (補助動詞)
㋐(動詞の連用形に接続助詞「て」を添えた形に付いて)話し手または動作の受け手にとって恩恵となる行為を他者から受ける意を表す。「これが先生にほめて―・いた作品です」「せっかく来て―・いたのですが、主人は今おりません」「一言声をかけて―・いたらよろしかったのに」
㋑(接頭語「お」または「御(ご)」に動詞の連用形またはサ変動詞の語幹を添えた形に付いて)8㋐に同じ。「これから先生にお話し―・きます」「お読み―・きたい」「御心配―・きまして」「御審議―・きたい」
㋒(動詞の未然形に使役の助動詞「せる」「させる」の連用形、接続助詞「て」を添えた形に付いて)自己がある動作をするのを、他人に許してもらう意を表す。「させてもらう」の謙譲語。「あとで読ませて―・きます」「本日は休業させて―・きます」
[可能]いただける
ち‐そう【×馳走】
[名](スル)
1 《その準備のために走りまわる意から》食事を出すなどして客をもてなすこと。また、そのための料理。「友人宅で―にあずかる」→御馳走(ごちそう)
2 走り回ること。奔走。
「東西に―す」〈今昔・二・三七〉
“いただきます”と“ごちそうさま”www.chugokuh.rofuku.go.jp#:#http://www.chugokuh.rofuku.go.jp/eiyo/itadakimasu.htm
www.chugokuh.rofuku.go.jp/eiyo/itadakimasu.htm
“いただきます”と“ごちそうさま”の意味
ふだん、食事のあいさつにつかっている「いただきます」と「ごちそうさま」の意味をご存知
ですか?
日本の食事のあいさつには、2つの素晴らしい言葉があります。
1つは「いただきます」
「頂きます」とは、「私の命のために動植物の命を頂きます」の意味から。
古くから人は自然の恵みをもらって生きてきました。自然の恵みとは、言い換えれ
ば、数々の動植物の生命をもらうこと。これらの行為は生きとしいけるものすべて
に共通の行為。いのちがつながり合ってみな生きている(生かされている)のです。
「多くの生き物を犠牲にして生きている」こと、偉大な自然への感謝の気持ちを表
したものです。
もう1つは「ごちそうさま」
「ご馳走様」は「馳走になりました」のことで、「馳」、「走」ともに「はしる」の意味。
昔は客人を迎えるのに走り回って獲物をとってきてもてなしましたが、そんな命が
けの働きに客人が「有難う」と心からの感謝の気持ちを表したものです。
いただきます ごちそうさま この二つを食事の習慣的な挨拶に、食べる前と食べた後に用いる。
それについて、敬語であるとする、だれに対するか、という質問である。
いただく について、もらう の謙譲語とする説明がある。
敬語となるから、敬意の対象はだれにということになるのだろう。
しかし、これは対象を求めると明確ではない。
食事を用意している、食材を提供してくれる、その膳をしつらえてくださるなど説明がありそうだ。
中には動植物の命をいただくなどと言う宗教的、民族的な解釈があって、その対象はとなると神や仏、万物の創造主となるのだろうか。
一方、ごちそうさま については、馳走の字義を宛てて、ご馳走 というふうに丁寧に使ううえで、挨拶語として、ご馳走さま となっている。
丁寧な言葉であるから敬語であるとして、さてこれまた、だれに対するものか。
走り回って食材を調達した人などへ敬語を使っているということになるのか。
食べた後のあいさつとして、ごちそうさま でした と言うようになったのは、江戸時代後期の言とだと説明するものがあるので、儀礼語としての用法には、もてなしを受けて、もてなしをした方への敬語と見るのがよいだろう。
デジタル大辞泉
いただ・く【頂く/▽戴く】
[動カ五(四)]
1 頭にのせる。かぶる。また、頭上にあるようにする。「王冠を―・く」「雪を―・いた山々」「星を―・いて夜道を行く」
2 敬意を表して高くささげる。頭上におしいただく。「宸翰(しんかん)を―・く」
3 敬って自分の上の者として迎える。あがめ仕える。「有識者を会長に―・く」
4 「もらう」の謙譲語。「激励の言葉を―・く」
5 「食う」「飲む」の謙譲語。
㋐与えてくれる人を敬っていう。「もう十分に―・きました」
㋑自分の飲食することをへりくだり、上品にいう。「お酒も少しは―・きます」
[補説]近年、「食う」「飲む」の謙譲語「いただく」を「どうぞ冷めないうちに頂いてください」のように尊敬語として使う人がいる。誤用であるが増えてきている。
6 苦労もなく、手に入れる。「今度の試合は―・いたも同然だ」
7 《「小言をいただく」の意から》しかられる。小言をくう。また、しそこなう。
「道理で茶番のたんびに―・くはずだあ」〈滑・八笑人・初〉
8 (補助動詞)
㋐(動詞の連用形に接続助詞「て」を添えた形に付いて)話し手または動作の受け手にとって恩恵となる行為を他者から受ける意を表す。「これが先生にほめて―・いた作品です」「せっかく来て―・いたのですが、主人は今おりません」「一言声をかけて―・いたらよろしかったのに」
㋑(接頭語「お」または「御(ご)」に動詞の連用形またはサ変動詞の語幹を添えた形に付いて)8㋐に同じ。「これから先生にお話し―・きます」「お読み―・きたい」「御心配―・きまして」「御審議―・きたい」
㋒(動詞の未然形に使役の助動詞「せる」「させる」の連用形、接続助詞「て」を添えた形に付いて)自己がある動作をするのを、他人に許してもらう意を表す。「させてもらう」の謙譲語。「あとで読ませて―・きます」「本日は休業させて―・きます」
[可能]いただける
ち‐そう【×馳走】
[名](スル)
1 《その準備のために走りまわる意から》食事を出すなどして客をもてなすこと。また、そのための料理。「友人宅で―にあずかる」→御馳走(ごちそう)
2 走り回ること。奔走。
「東西に―す」〈今昔・二・三七〉
“いただきます”と“ごちそうさま”www.chugokuh.rofuku.go.jp#:#http://www.chugokuh.rofuku.go.jp/eiyo/itadakimasu.htm
www.chugokuh.rofuku.go.jp/eiyo/itadakimasu.htm
“いただきます”と“ごちそうさま”の意味
ふだん、食事のあいさつにつかっている「いただきます」と「ごちそうさま」の意味をご存知
ですか?
日本の食事のあいさつには、2つの素晴らしい言葉があります。
1つは「いただきます」
「頂きます」とは、「私の命のために動植物の命を頂きます」の意味から。
古くから人は自然の恵みをもらって生きてきました。自然の恵みとは、言い換えれ
ば、数々の動植物の生命をもらうこと。これらの行為は生きとしいけるものすべて
に共通の行為。いのちがつながり合ってみな生きている(生かされている)のです。
「多くの生き物を犠牲にして生きている」こと、偉大な自然への感謝の気持ちを表
したものです。
もう1つは「ごちそうさま」
「ご馳走様」は「馳走になりました」のことで、「馳」、「走」ともに「はしる」の意味。
昔は客人を迎えるのに走り回って獲物をとってきてもてなしましたが、そんな命が
けの働きに客人が「有難う」と心からの感謝の気持ちを表したものです。