1980年代になって日本語学という呼称が始まる。もちろんそれまでにも、Japanology という包括的な日本学に日本語、日本文化などがあった。日本語学はしかし日本語科学という名称を言語学のうちに使うこともあった。1945年を画期に日本社会は話し言葉で書かれたひらがなの憲法が制定され、それは翻訳憲法とも言われて、日本語は大きくその背景となる文化を変える。それでも国語による文化としての言語には日本 . . . 本文を読む
国語、日本語という呼び方は日本言語としてのとらえ方がどのように表れてきたかという言語の認識にある。
国語は日本言語の科目名称となった。わたしたち日本人の国内で使用する言葉の読み書き教育であったものだが、国語はそのままに日本語となってとくに1930年代には海外の言語教育ともなった。そこでは日本語教育と称するものもあり、海外というのは領土とした地域での国語である。時代をさかのぼれば国語はキリシタン . . . 本文を読む
日本語を、いつからにっぽんごと呼ぶか、それを明らかにした論文がヒットした。2020年だから3年前のこと、呼称の歴史とタイトルにある。
>表 1 日本語の名称の歴史の概略 によれば、次のように見える。 131ページ
時期 日本語の名称
9-16世紀 倭言、倭語、倭詞、和言、日本語、和国のことば、やまとことば
17-19世紀前半 倭言、倭語、和語、日本のことば、日本ことば、日本く . . . 本文を読む
国語研究時代を想定した。いまでも国語研究は続くが、日本語研究の時代に画期をとれば国語時期から日本語時期へと連なる。
日本語全史の記述に困難を感じるなら、著者はあえて挑んだのだが、文字の利用が進んだ日本語は国語の文献研究といういわば制約を受けるので、日本語史に区分する中世以降の資料には規範が見出しにくい。
それでも、主格の機能の一つに、次の記述が見えるのは、格助詞のとらえ方にもよるところであるが、 . . . 本文を読む
本を読みましたと、このブログの記述では2017年に日本語全史を書いている。
傍目には国語史の記述と日本語史の記述にはどう違うかと思ところである。専門領域の領海のようなことであるので、そう簡単には違うことを言えないが、沖森氏は、日本語を話しことばのことに視点を置いているというから、そこを強調する。文献国語史を扱って話し言葉の証拠を見つけるのは限られてくる。
全史たるゆえん、文字表記音韻語彙 . . . 本文を読む
日本語の歴史を全史にみて大部な著述を行っている、労作である。
日本語史、日本語の歴史と検索して、おなじ著者のテキストをはじめ、新書本で最近のもの、そして後にも先にもこれしかないという、新装本にもなってライブラリーに見える、
>日本語の歴史1 民族のことばの誕生 (平凡社ライブラリー) 亀井 孝, 大藤 時彦他 最近五
というふうに発行を続ける平凡社刊行の本がある。
ひところの国語の歴史は国語史と . . . 本文を読む
和歌、短歌について、やまとうた に対しての、近代短歌 というすみわけがいつごろから出てきたか。
これには近代とつければ明らかであるが、倭歌、短歌とすると、すこし専門的な議論となる。
和歌の古代用法で万葉集などの和歌と、それ以後、平安朝の歌論から長歌を短歌と分類してしまって、和歌を短歌として総称する用法があった。
そのいわば混乱は和歌とするもともとの漢詩 からうた に対する意味範囲で推移して、倭 . . . 本文を読む
和歌 わか を、大和歌と表記すれば、やまとうた となる。
からうた 漢詩に対して用いると、唐絵に大和絵、倭絵と見えるから、倭字に、やまと を充てる。
万葉集の和歌には長歌と反歌 ときに短歌と称され、旋頭歌があり、古代歌謡に片歌があるので、記紀歌謡などの古代歌謡の一種、この時代に和歌、倭歌としての表記に、大和の歌にも和するやり取りがある、唱和とでもいうか、その作法を入れて技法としたものであるから . . . 本文を読む
万葉集が和歌文学を象徴する。文学のとらえかたに劇詩あるを知り、叙事詩、抒情詩とみると、その劇にあたる和歌の編集である。いまの戯曲にみる舞台は原万葉集を読み進めるとあらわになる。その後に勅撰集が編まれて和歌文学の歴史にたどる叙事叙情である。
いきなりの議論であるがzrん国短歌大会に入選した3首をみて詠んでいる内容を叙事としてその短歌表現にある物語背景を連想するからである。千枚田を一人かる風景が、ゆ . . . 本文を読む
短歌入賞作品を紹介する。
第24回 NHK全国短歌大会 大賞作品
佐佐木定綱 選
再婚の意味を知る子と知らぬ子が砂のトンネル開通させる 神谷小百合(埼玉県)
佐佐木定綱 選 東直子 選
夕光を使ひ切るまで影を連れ一人刈り行く千枚田かな 小泉浪士(長崎県)
俵万智 選
千年を越えて私をかき乱す期末テストの光源氏よ 赤松みなみ(大阪府)
https://www.n-gaku.jp . . . 本文を読む