NOSTALGIA/郷愁

団塊世代の日記
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親の死

2010年01月03日 | 家族
AUTHOR: Phoenix
TITLE: 親の死(10)
DATE: 02/11/2008 00:53:42
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《最後に親から教わったこと》

 両親が相次いで亡くなりさびしい気持ちに変わりはないが、本当のところ心のどこかに、肩の荷が降りた気持ちもないではない。

 両親が高齢になり、そのうちいつか病気になって看病しながら亡くなる日が来る。そのときのことを考えることはもう2、3年前からしていた。父もことあるごとに、通帳のありか、印鑑のありか、社会保険証などの書類、そして亡くなったときに必要な当座の現金はここにおいてあるとか、金庫の開け方も教えてくれていた。また互助会にも入っていて葬儀の式場はどこそこがいいとかも言っていた。だがそのときは、私はそんなことは先の話で今聞かなくてもいいという顔をして半分聞き流していた。でも父は本気で聞かせようとしていた。
 しかしそれが現実となったとき、事前に教えてもらっていたことは本当に我々を助けてくれた。葬儀は迷わず父が契約していた互助会にすぐ頼めた。葬式の費用、戒名などの支払いには困らなかった。そして気がついたのは、昔持っていた株券は処分してあり、通帳も定期預金はすべてすぐ下ろせる普通預金に移してあった。書類も整理してあり遺族年金の切り替え(母がすぐ亡くなってしまったが)も私が苦労せず行えた。

 父が亡くなってみて、改めて父の几帳面さや死んだあと我々が困らないようにいろいろ教えてくれたり整理しておいてくれたことに気がつき、そのありがたさがわかった。
 ただ生前に聞き逃してしまったことがある。お墓の種類、仏壇、戒名、宗教だ。これだけは、結局私の判断で決めてしまった。冗談でも元気なときに聞いておけばよかったと思ったが、もうどうしようもない。

 親が亡くなり死というものの現実を知り、人の命のはかなさ、死んで後に何が残るのか、人の一生とは何かが、今まで考えていたものより、より鮮明に自分なりにわかった気がしている。そして自分の生活への影響として、健康で親以上に生きたいという気持ちになり、妙に健康に気を使うようになった。それから自分は死んで残せるものがあるのか、なければ何を残したいのか、何も残さないで死んでいくのはむなしいと思うようになった。そして僅かになってきたこれからの人生をより有意義に過ごすにはどうすればいいのかも、本気で考えるようになった。

 親は死んで最後に子どもたちに人生の大切さを教えてくれた気がする。



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COMMENT:
AUTHOR: 津熊携帯より
EMAIL:
DATE: 02/11/2008 03:39:20
私は両親が亡くなり7年になりました。霊的な何かで繋がっているかの様に父が亡くなり二か月後に母が亡くなりました。物質的な物は何も残してくれませんでしたが愛して貰った思い出を残して貰いました。今も両親の無償の愛を受けて育てて貰った事を思い出して感謝の涙を流します。子供たちにも愛されていたと思い出して貰える思い出を残しているだろうと?思います。親は生きていてくれるだけで心強い存在なんだと今は寂しくなりそう思います。
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COMMENT:
AUTHOR: phoenix
DATE: 02/11/2008 13:20:56
私の両親も父の2ヵ月後に母は逝ってしまいました。父が呼んだんでしょうか。津熊さんがおっしゃるように、私たち子どもを一応それなりに(自分で言うのもおかしいが)育ててくれたことは大きな存在です。ありがたいです。

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