これは大工さんの道具です
伸ばした糸をつまんで、ピンっとはじくと
一瞬でまっすぐな線がきれいにつく
こういう花器ではないものを花器にする場合は
器本来の使い方からなるべく離れて使うと
花との意外な調和がとれてよいでしょう
嘘です、いま思いついただけです
合理的な道具の美しさに
花はちょっと遠慮をしてみました
私の実家の家紋は「下がり藤」
枠ありだったか、枠なしだったか
いつも論議をかもすのです
そんな藤も「第二の桜」としてターゲットになりつつあるブラジル
ところで、ブラジルの花市場では予約は非常に難しいのです
なぜなら、基本的にその日、山にあるものを切って持ってくるから
こっちも見たことないものがあるけど
売る人もその名前を知らず
ああっ、藤をそんな風に短くしてブーケ状で売らないで!
もっと優雅にしなやかに、しだれたままで持ってきて!
わたしの大事なシンボルなんだから!
あ、そうなの?これってRoxo(むらさき)っていうんでしょ?
それはね、色の名前で花の名前ではありません
ブラジルにだって
桜はあります
というより
ただいま大流行中
といっても、枝物を花びんにさしただけの”禅もどき”
たとえ花を触ったことがなくても
日本人だったら「?」と思うようなアレンジなのに
雑誌の表紙を飾り
TVドラマの演出に使われ
そのため、どんな生産者も切ってきます
でも
こんなんじゃ使えないよ、っていうのがほとんど
ねえねえ、桜は切ったら死んじゃうんだよ、知ってる?
あ、そうなの?でも売れるんだよね
ものすごく踊った枝で、日本でもなかなかお目にかかれなさそうな
カッコいいのがあったけど
どこかの金持ちが全部かっさらっていきました
1歳で親戚、知り合いはもちろん、近所の人、またその友達まで呼んで
15歳で結婚式より派手な社交界デビューして
40歳で最後にもう一回、派手に締める
これがブラジルのお誕生日会事情
Decoradoraと呼ばれるスタイリストは
花装飾だけでなく
家具や照明、お菓子の入れ物にいたるまでの
トータルコーディネートの最高責任を持たされます
お料理はしませんが、食器やケーキデザインには
かかわっていきます
その他、来てくれた方へのおみやげや
DJの選曲まで、意見を尋ねられるのです
今回のパーティーの主役は
40歳なのだとずっと思ってましたが
実は50歳だったのだそう
ご本人のお写真のほうが
よかったかしら
ありますか?
サンバもサッカーもコーヒーもでてこないけど
それでもブラジル、なんてね
ここはヨーロッパの王侯貴族たちと
アフリカの奴隷たち、それに
もともといたインディオ達で始まったところです
一度も戦争が起こったことがないのは自慢だけど
実はみんないいかげんで団結できなかったからで
イギリス人やフランス人からは「楽園」と呼ばれ
日本人からは「あんな世界の田舎に.....」と言われ
食料も燃料も自給自足できて
女の人はセクシーで、男の人はやさしくて
テキトーにあったかく、テキトーに涼しい
食べ物はおいしくて
テロも、地震もなくて
ハリケーンもこない
泥棒が多いのだけが難だけど
”良い加減”な国なのです
今日は独立記念日なんですって