遠く春霞むなか、満開の桜街道を描きました。
桜街道とか桜並木などを描くに当たり私が最も衝撃を受けたのは、
柴崎春通先生が6年前アップされていた
「watercolor demonstration/Sakura(cherry blossom) 水彩画~桜」
というyoutube動画です。
初めて見たときは、サイズは普通なのに、画面いっぱいに広がる、
そのスケールの大きさや躍動感に、ただただ感嘆あるのみでした。
模写はしたいけど、直ぐには飛びつけず、
先生の、桜の描き方の基本的なネット上の講座をしばらくやった後、
3年前の拙ブログ「桜前線真っ只中!」(2021.3.29付)で初めてチャレンジしたことでした。
2年後の昨年、同じテーマで描き直しました(2023.6.12付)が、
今回はそれに続いてのアップとなります。
実はつい先日、同じく柴崎先生が1ヵ月前にyoutubeにアップされた、桜並木の動画
「ピンク色は使わない!リアルな「桜」の描き方/柴崎おじいちゃん流の水彩画」を拝見、
今回はこちらを教本とさせていただきました。
6年前のそれと比べ、桜の場所が左右逆になっているところが大きな構図の違いですが、
川を挟んでの対岸の桜などは同じです。
特に今回の動画では、重なった桜の近・中・遠景の描き方を強調されていました。
普段、何気なく無造作に描いてしまい、遠近感のない平板的な絵になりがちですが、
同じような対象が、多層に重なったのを描くときの非常に大事な課題です。
画面右側、この桜並木の中での近・中・遠景の差別化にチャレンジです。
しかし、並木の遠近境界は、あるようでないようで、捉えにくく、
また並木には大中小、様々な塊りがあり、これらの陰影とあわせて表現する必要があり、
結構悩ましいものです。
どうやら、全体の配置や描く部位に応じて、
明暗、色相、描く形や疎密など・・・いわば、色と形という基本中の基本・・・に
変化をつけることにより、
並木の遠近感、立体感を出すようにする、ということのようです。
この際、常に全体を考えることと、場所によっては大胆に変化させることが重要かと。
また桜そのものを描くというより、
周囲の黒っぽい木の幹や枝あるいは空の色から象るのが効果的だ
ということも教わりました。
もう一つ、先生の動画にはない自転車に乗った点景人物、
前回の拙ブログでは、父娘を前後に配し、その前後関係が分かるように、
視点をやや上からとしていましたが、
今回は、父娘を並列、視点もほぼ普通の高さからにしてみました。
点景(添景)のはずのこの二人が主役になった感も致しますが、
まあ、いいか!であります。
そうそう、2人は着用が努力義務化されたヘルメットを着けていませんが、
絵画ということでお許しあれ。
作品は、春うららのおぼろ感にあふれ、自転車親子がほっこりさせてくれています。
「柴崎おじいちゃん流の水彩画」は楽しく見ています、雰囲気が似ている感じです。
新入生が生々躍動する春本番、健康でお過ごしいただき、長く作品を見せていただきたいです。
特に一番近くの桜に色々な工夫がなされていると感じました。この張り出した枝による迫力、陰影による立体感等は見事に表現されていると思います。