今回も柴崎春通先生のyoutube水彩画講座 超基礎編“wet in wet”の練習です。
その講座では、
“薄めの絵の具で描いた上に、それが乾かないうちに、濃いめの絵の具を乗せ、水の力で周りに滲ませる”技法を
紹介されており、水彩で最も重要なテクニックとも仰っています。
上の絵でいえば、画面の下1/3程度です。
中央のキラキラした映り込みなどに目が行きやすいですが、そちらではなく、
下(手前)の穏やかな海の部分に当ります。
実は、水彩画を始めてまもない頃、海の絵を描く際、海面がギザギザした波の絵にも苦労しましたが、
もっともっと苦労したのが、穏やかでのたりとした海の表現でした。
中々うまくいかず、数十枚単位で失敗を重ねたことでした。
そんな中、解決のヒントを与えてくれたのが画家Tim Wilmot のyoutube動画でした。
7年前、「夕暮れどきのハーバー」(2016.8.22付)をアップしましたが、その時の教材が
彼の“Watercolour demonstration - How to paint boats, water and reflections”という動画でした。
そのデモでは、“穏やかな海”に至る手順が実時間で展示されていました。
そこでの“手順”と“時間”の重要性が、強烈な印象として残りました。
そして今回、柴崎先生の“wet in wet”の講座を機に、
このTim Wilmot のyoutube動画に再々々・・・チャレンジしてみようとしたものです。
今回もデモを見ながら描きました。
紙は昨年6.13付「横浜・金沢八景ヨットハーバー」で使用したのと同じ紙.。
ボート類の姿をちょっとだけ変えたほか、
練習のため手前海の面積を、デモより心もち広くとりました。
下1/3は、薄め→やや濃いめ→濃いめと、タイミングを計りながら3回にわけての“wet in wet”。
少なくともこの部分は一発勝負、修正の筆を入れていません。
今回のチャレンジに際しデモを見ながら新たに驚いたことがありました。
それは使う絵の具です。
デモではどの色を使うかが分かるようにパレットも映っていました。
彼は、船体の横のラインやフラッグには相応の色を、
そして夕陽とそれの海等への反映部分はイェローオーカー(黄系)が中心でしたが、
その他のところは、何と何と2色の混色のみで描いていたのです。
その他の部分・・・即ち、空の他の部分、バックの山や建物、ボートの陰影や海への映り込み、
そして手前の穏やかな海・・・の、そのほとんどが、
コバルトブルー(青系)とバーントシェンナ(茶系)の2色のみの、比率を変えての混色だったのです。
全体の色の基調がこの2色でということになり、統一感も生まれ
“へえー!こんな色の使い方もあるのか!”と、びっくりしたことでした。
筆も丸筆(18号)1本のみでやってみました。
7年前とは少しは違った雰囲気で描けたのかな、と。
新百合絵画クラブ(名称を変更しました)では、
12月に“木炭画の人物クロッキー”を実施するとのことです。
鉛筆でのクロッキーは何回かやったことはありますが、
木炭についてはクロッキーはもとより、木炭画そのものをやったことがありません。
絵を描くに当たり唯一時間制限(数分、長くて20分?)を決めてかかるクロッキー、
しかも不慣れな木炭という画材を使っての線描写、
・・・容易ならざるものを感じますが、新たなチャレンジ心も湧いてきています。
早速に画材などを取り寄せ、自分なりの練習を始めたところです。
手や画用紙を真っ黒にしながら・・・。
手や画用紙を真っ黒にしながら・・・。
しかも、自然のゆったりした感じが良く出ていると思います。
全般として近くのゆったりとした海、船を映した海、背景の山々・空、主役(今回は近くの海かも知れません)のヨット、マスト・海鳥とそれぞれ見事に描かれていると思います。
なんだか朝から気持ちがゆったりと落ち着きました。
最初の視点は中央部分のきらめく波に行ってしまいますが、手前に大きく揺らめく静かな海面は、まさに波の動きを感じることができます。
難しい技術なのだと思います、飽くなき挑戦は、次作品への心の準備にも感じ取れます。
見習いたい趣味人生です。