農耕の神・稲含山
稲含山は甘楽町の西端、下仁田との境に聳える山で、赤久縄などの「みかぼ林道」沿線の山塊から北に押し出された格好である。下仁田の東側は富岡・甘楽・藤岡・神流などの町村が細くなって集中しているところである。この山に至るコースには二つある。下仁田コースと甘楽コースである。下仁田コースは下仁田駅先から下仁田・上野線に入り直ぐに「合の橋」を渡って下仁田温泉を通過して茂垣から林道に入って赤鳥居の駐車場まで来られる。
一般的なのは甘楽コースで、地元の名を取って秋畑コースとも言われる。このコースは五月の神社祭礼に多くの地元民がこのコースを使って登頂して山中の稲含神社で神楽の奉納をする。不思議なことにこの山には下仁田側と甘楽側に稲含神社と言う同じ名前の神社が二つあるが、どちらが主なのか分からない。
高崎から行くには兎に角、254線の「上州福島」に出なくてはならない。福島まではサンコーC.Cを通って吉井経由で19㌔、富岡廻りで下高尾から来ると21㌔である。福島からは富岡・万場線に入って城下町・小幡を目指す。福島から12.5㌔地点で「雄川」を渡る那須大橋手前に大きな稲含山への道標があるのでそこを右折し、その後の指示板に従って二回の左折を繰り返しながら林道を登ると第一駐車場に着く。
ここまで17㌔、舗装林道はここまで、その先は極度に荒れた道を注意しながら2㌔進むと漸く「いこいの広場」に到着する。ここは「神の池」と名付けられた鯉のいる池といわれるが、見たところ鯉など見えない。登山道はこの広場裏から始まり、迂回する林道をショートカットする丘を越えると10分程で一の鳥居のある分岐となる。右に行けば電波搭を経て赤鳥居に出て下仁田コースへ入る道であるので、左の道に入る。道の傾斜は結構厳しく、左手に沢が見えてくると間も無く「神の水」につく。広場から20分。
この辺りは水が少々流れているが下は石で階段が作ってあるので歩き易い。二の鳥居を過ぎてあと0.2㌔の標識を見て急登を登ると秋畑稲含神社に着く。広場から53分。神社は由来の説明板のみが綺麗で神社そのものは吃驚するほど粗末である。頂上へは神社右手より裏に廻る。そこの標識にはあと0.5㌔とあるが、山道の距離は登りの程度で全く違ってくるので先を想像することは出来ない。良く作られた丸太階段をくねくねと30分も登り続けて漸く下仁田コースとの分岐に出る。右に行けば赤鳥居を経て下仁田側駐車場から茂垣へ下るし、左が下仁田稲含神社を経て山頂である。分岐からほんの10分で神社に着く。ここの神社は甘楽のものより僅かに綺麗であるが、それにしても平地にある普通の見慣れた神社に比べれば遥かに劣る。頂上まで2分の標識に安心して見て廻ると、神社社殿にちゃんと「稲含神社」の額が掲げてあった。甘楽のものには其れすらなかった。毎年、祭礼をやるならそのくらいは整備したら良いのにと思う。
神社にいると山頂からの人声が聞こえる。土曜なので山頂は大賑わいのようだ。頂上はかなり広いが草は無く砂礫の広場で座りにくい。何人ものハイカーが知らぬもの同士、山談義に花を咲かせている。何故か単独ハイカーが多く登山経験を自慢する者、聞き上手で色んな情報を聞き出す者、黙って道具を広げて湯を沸かし、ラーメンを作ったりコーヒーを造って皆に配りたがる者、しかしおかしな事に名乗ることはしない、今日そこで別れれば其れでお仕舞となる。単独行のハイカーは無理して仲間は作らない。勝手気侭に自分が行きたい時に行きたい所へ車を走らせる。頂上へ行けばその日だけの饒舌な山仲間が居るからである。
この山頂は「西上州の展望台」と言われるほど、展望が利く。但し春から夏にかけては遠くは霞んでしまう。南を眺めると今年登った赤久縄が手が届くような近さに見え、その左に西御荷鉾が続いている。西南には荒船と径塚山がくっきりと見えるが予想より遠く感じ、この方面は里も無く山又山の繋がりで山が折り重なっている。妙義も見下ろす感じで西に見え、北には榛名が高崎からと同じ角度で少し霞んで望める。360度見渡すと幾重にも山に囲まれているという実感がある。
帰りは分岐から赤鳥居を目指した。この道は甘楽からの道に比べると遥かに立派な丸太階段が途切れなく下まで続く。滑らないので楽とはいえ、膝には堪える。流石に途中で休んで屈伸をしないとがくがくになりつま先が上がらないので少しの障害物にも躓いてしまう。
赤鳥居に着くとそこは10台は十分に置ける大きな駐車場で、右の山手に一の鳥居方面と道標がある。もう登りは嫌だと思いながら一つ小山を越えると電波搭を経て簡単に一の鳥居の分岐に出るのでほっとする。林道のショートカットは一山越えなので今度は林道をのんびり遠回りしながら「いこいの広場」に着いた。帰途には小幡の「織田宗家七代の墓」見学した。
写真は霞みのかかった西毛の山々。
賑やかな稲含山頂
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稲含山は甘楽町の西端、下仁田との境に聳える山で、赤久縄などの「みかぼ林道」沿線の山塊から北に押し出された格好である。下仁田の東側は富岡・甘楽・藤岡・神流などの町村が細くなって集中しているところである。この山に至るコースには二つある。下仁田コースと甘楽コースである。下仁田コースは下仁田駅先から下仁田・上野線に入り直ぐに「合の橋」を渡って下仁田温泉を通過して茂垣から林道に入って赤鳥居の駐車場まで来られる。
一般的なのは甘楽コースで、地元の名を取って秋畑コースとも言われる。このコースは五月の神社祭礼に多くの地元民がこのコースを使って登頂して山中の稲含神社で神楽の奉納をする。不思議なことにこの山には下仁田側と甘楽側に稲含神社と言う同じ名前の神社が二つあるが、どちらが主なのか分からない。
高崎から行くには兎に角、254線の「上州福島」に出なくてはならない。福島まではサンコーC.Cを通って吉井経由で19㌔、富岡廻りで下高尾から来ると21㌔である。福島からは富岡・万場線に入って城下町・小幡を目指す。福島から12.5㌔地点で「雄川」を渡る那須大橋手前に大きな稲含山への道標があるのでそこを右折し、その後の指示板に従って二回の左折を繰り返しながら林道を登ると第一駐車場に着く。
ここまで17㌔、舗装林道はここまで、その先は極度に荒れた道を注意しながら2㌔進むと漸く「いこいの広場」に到着する。ここは「神の池」と名付けられた鯉のいる池といわれるが、見たところ鯉など見えない。登山道はこの広場裏から始まり、迂回する林道をショートカットする丘を越えると10分程で一の鳥居のある分岐となる。右に行けば電波搭を経て赤鳥居に出て下仁田コースへ入る道であるので、左の道に入る。道の傾斜は結構厳しく、左手に沢が見えてくると間も無く「神の水」につく。広場から20分。
この辺りは水が少々流れているが下は石で階段が作ってあるので歩き易い。二の鳥居を過ぎてあと0.2㌔の標識を見て急登を登ると秋畑稲含神社に着く。広場から53分。神社は由来の説明板のみが綺麗で神社そのものは吃驚するほど粗末である。頂上へは神社右手より裏に廻る。そこの標識にはあと0.5㌔とあるが、山道の距離は登りの程度で全く違ってくるので先を想像することは出来ない。良く作られた丸太階段をくねくねと30分も登り続けて漸く下仁田コースとの分岐に出る。右に行けば赤鳥居を経て下仁田側駐車場から茂垣へ下るし、左が下仁田稲含神社を経て山頂である。分岐からほんの10分で神社に着く。ここの神社は甘楽のものより僅かに綺麗であるが、それにしても平地にある普通の見慣れた神社に比べれば遥かに劣る。頂上まで2分の標識に安心して見て廻ると、神社社殿にちゃんと「稲含神社」の額が掲げてあった。甘楽のものには其れすらなかった。毎年、祭礼をやるならそのくらいは整備したら良いのにと思う。
神社にいると山頂からの人声が聞こえる。土曜なので山頂は大賑わいのようだ。頂上はかなり広いが草は無く砂礫の広場で座りにくい。何人ものハイカーが知らぬもの同士、山談義に花を咲かせている。何故か単独ハイカーが多く登山経験を自慢する者、聞き上手で色んな情報を聞き出す者、黙って道具を広げて湯を沸かし、ラーメンを作ったりコーヒーを造って皆に配りたがる者、しかしおかしな事に名乗ることはしない、今日そこで別れれば其れでお仕舞となる。単独行のハイカーは無理して仲間は作らない。勝手気侭に自分が行きたい時に行きたい所へ車を走らせる。頂上へ行けばその日だけの饒舌な山仲間が居るからである。
この山頂は「西上州の展望台」と言われるほど、展望が利く。但し春から夏にかけては遠くは霞んでしまう。南を眺めると今年登った赤久縄が手が届くような近さに見え、その左に西御荷鉾が続いている。西南には荒船と径塚山がくっきりと見えるが予想より遠く感じ、この方面は里も無く山又山の繋がりで山が折り重なっている。妙義も見下ろす感じで西に見え、北には榛名が高崎からと同じ角度で少し霞んで望める。360度見渡すと幾重にも山に囲まれているという実感がある。
帰りは分岐から赤鳥居を目指した。この道は甘楽からの道に比べると遥かに立派な丸太階段が途切れなく下まで続く。滑らないので楽とはいえ、膝には堪える。流石に途中で休んで屈伸をしないとがくがくになりつま先が上がらないので少しの障害物にも躓いてしまう。
赤鳥居に着くとそこは10台は十分に置ける大きな駐車場で、右の山手に一の鳥居方面と道標がある。もう登りは嫌だと思いながら一つ小山を越えると電波搭を経て簡単に一の鳥居の分岐に出るのでほっとする。林道のショートカットは一山越えなので今度は林道をのんびり遠回りしながら「いこいの広場」に着いた。帰途には小幡の「織田宗家七代の墓」見学した。
写真は霞みのかかった西毛の山々。
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