「レーサーになりたいんです!」
と門をたたいたのは、その時の不動のチャンピオンのチーム!
「社長!フロントフォークがまた曲がっちゃいました!今すぐ修正してください!」
「社長!!エンジンオーバーホール今すぐやってください!!」
「社長!!!・・・・お金は出世払いでお願いしますw」
若かりし日、全く結果を出していない、きたない奴が、たくさんのライダーを抱えているチャンバーメーカー工場に通いつめ、
日々偉そうにお願いばかりしていたのを今でも鮮明に思い出します。
朝からサーキットで走り、バイクを壊し、工場で直してもらいに行く。
そのための資金稼ぎのために働く。
ものすごい単純なサイクルの日々でしたが、毎日夢と希望に興奮していました。
夜な夜なチャウチャウの工場に集まるライダーが社長を交えて、次のレースのために整備しながら、あーでもないこーでもないと
走り方の話、ライバルの話、彼女の話、人生の話、時にはお説教をもらいながら泣き笑い過ごした日々。
たいした結果は出なかったけど、納得できるまで生きれた4年。
辛かったことも沢山あったけど、今思うとそれも充実していて楽しかった。
よく覚えているのは
レースとは?=結局人生とはで
(レースのことを聞きたいのに、関係ない人生の話ばかりでいつも何言ってんだ!と思ってました。)
「君があと20年ぐらいすればおじさんの言ってる真の意味がわかると思うよ」と
(このおやじ。今はそんなことどうでもいいから早く部品を直してくれ!!次のレースに間に合わないじゃないか!と思ってましたすみません。。。)
最近少しづつ何かあるたびに色々な言葉を思い出しますよ社長。
またある時、ライダーがたくさん集まって話をしていたときに、10代の何も分からない少年がお客としてチャンバーを買いに、やっと探して工場にきた時に一言
「何かよう?」
「・・・・」
お客さんに対して
なにかよう
・・・・
そういうぶれない人間で、好き嫌いが激しく、個性の塊。
亡くなる1週間前にお見舞いに行った時も、
相変わらず看護婦さんと下ネタと合コンの話w
で笑っている僕に
「人の不幸は蜜の味だな」ってww
僕がタイムが出なくて凹んでいるとき、よく
「けんたろう。またな~~~に悩んでんだよ!サーキットは逃げないんだから。ゆっくりやってけ~」
と訛りのある口調の声が聞こえますよ。
いまでも他に目もくれず相変わらず生き急いでますが、
少しだけ社長の言葉が心に入ってくるようになってきたのと同時に、社長の凄さが今更わかってきてます。
今の自分があるのはこの時代の経験が大きく影響し、どんなことがあってもまず負けない自信がありますw
だってすごい人たちしかいなかったですから。
こういう噓のない言葉をかけてくれる人達がどれだけいるか?そういう本気の付き合いをさせてくれたチームや関わってくれた人達がいることが僕の宝です。
受け継がれていくモノはそれぞれ確実に!
今後も変わらず全力でレース(人生)を楽しんで生きていきます!
社長
次のステージで会える日を楽しみにしておりますよ。
とりあえず安らかにお休みください。(休まなそうですけどね。。。)
ブログを拝見させて頂きましてチャウチャウ坂上氏の訃報を今知りました。もし差し支えなければ、もう少し詳しい情報がございましたら教えていただけると。
と思いコメントしました。どのようにすればよろしいでしょうか。
あとは師匠におまかせいたしますね!