「ほてからな」(それから)、「てとたってー」(手伝ってあげて)、「おっちんし」(座りなさい)――。大阪府泉大津市教育委員会が、市内でよく使われる「泉州弁」のPRに取り組んでいる。

 泉大津市が無料通信アプリ「LINE」で販売しているスタンプセット(32個、120円)。市のマスコットキャラクター「おづみん」が、さまざまな泉州弁をコミカルに表現している。

 「ええで~」「いらちやなぁ」といった関西全域で比較的ポピュラーなものから、「ちゃりげのびてんで」(もみあげが伸びてるよ)まで、多彩だ。市の動画チャンネルでは、市立織編(おりあむ)館の職員や南出賢一市長が46通りの泉州弁を実際に話す動画も見られる。

 ログイン前の続ききっかけは、方言研究で知られる中井精一・富山大教授が昨年、学生らと市内で実施した泉州弁調査に協力したこと。市教委も独自に住民や地元出身の市職員ら約20人に聞き取り調査を行い、よく使われる言葉をまとめた。

 一口に泉州弁といっても、おおむね忠岡町岸和田市を境に南北で違いがある。例えば南部では「食べり」(食べて)など、語尾に「り」を付ける言い方があるが、泉大津を含む北部では使われないという。

 市教委は来年1月31日まで(土日祝と12月25日~1月4日休み)、桃山学院大(和泉市まなび野)の聖ペテロ館2階学院史料展示コーナーで、泉州弁を紹介する企画展「おおつやったらこない言うんや」を開いている。

 9~10月に市立織編館で開いたのに続く2回目。市教委生涯学習課の奥野美和・文化財係長は「言葉は毎日触れる文化。自分たちの文化の面白さをいま一度見直してもらえれば」と話す。入場無料。(