気まぐれフォトダイアリー

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「お釣りはいりません」~子どもの頃の思い出

2021年11月04日 15時05分24秒 | 子供の頃の思い出
私がまだ小学校4~5年生の頃だと思う。


時代は1960年くらいだったと思う。

(不確かなので・・・)


何かの帰り、最寄駅からバスで家に帰るときのことだった。

夜だからバスに乗ったのであり、昼間は当然バスには乗らないで歩いていた。


当時のバスはまだ若い女の人の所掌さんが乗っていた。


家の近くのバス停で降りるとき、

近所のお兄さんもいつも一緒に降りた。

年は私より10歳以上、上だったと思う。

顔は知っていたけれど、話はしたことはなかった。


当時、私の住んでいた郡内地方は織物業が盛んだった。

我が家は農家だけだったけれど、

機や(はたや)さんの家が多くて、

機(はた)を織る機械の音がガシャ、ゴショ、ガシャ、ゴショととてもうるさかった。


近所のそのお兄さんの家は、大きなはたやさんの家で、

女工さんを何人も使っている大店(おおだな)だった。



・・・前置きはそのくらいで・・・


バスを降りるとき、

そのお兄さんはバスに乗車賃を入れるとき、

いつも「釣りはいらない」と言って降りていた。


私はその人の後でバスを降りるのだが、

お釣りはももらってはいけないのだろうか?

と、思ってしまった。


私は当然お釣りはもらいたい!


次の日にまたバスで一緒になった。

近所のお兄さんの後で降りたとき、

「お釣りはいりません」と私も言ってしまった。


一瞬車掌さんはびっくりした顔をして私を見た。

子どもなのにと思ったに違いない。

けれどそのまま何も言わなかった。


後になって考えてみると、

私もバカをしたよなと思った。


お釣りはいらないどころか、

お釣りは当然ほしい。

当時、我が家はそれほど豊かな生活をしていなかった。



あの近所のお兄さんは、大店の息子さんで、きっと女性の車掌さんの手前、恰好をつけていたのだろう。


思い出すと、今でも笑ってしまう。

子どもだったからわからなかった、バカな思い出です。


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