Born Free

"着陸"


さっき、"クイズ日本の顔"っちゅうテレビ番組を見てた。

ゲストに"パリーダカールラリー"で
日本人初の総合優勝者になったラリードライバー
"篠塚健次郎"選手が出演してた。
篠塚選手や"パリーダカ"にちなんだクイズを出題して
番組は進行された。

篠塚選手は長年
"三菱自動車"の"社員"としてラリーに参加してた
"サラリーマンドライバー"であった。
ラリーファンやったら知らんヒトは居らん
っちゅうトコまで君臨した日本での
ラリードライバーの第一人者である。

今から五年前に上司に"引退"を勧められた。
その時既に50歳を過ぎてたコトもあり
会社としては"若返り"や"キレイな引き際"を
考えての勧めやったんやろうと思う。
コレはコレで頷けるコトである。
"いち企業"としては当然の選択と言える。

その時、現役続行を決意して会社を去るコトになった。

「簡単に他人に引き際を決められたく無い!」

コレも頷ける。

「走り続けたい!」

そんな素直な感情を抱くっちゅうのは
健全なコトやと思うし、誰もが抱き続けたい
感情なんやろうなぁと思う。

その後、日産のドライバーに採用されるも
レース中に大ケガに遭うたり
日産の"パリーダカ"へのワークス参戦中止やらの
困難もあったモノの58歳になった今も
小さなチームからの参戦ではあるケドも
現役でラリードライバーを続けてる。

資金力も無いさかいにクルマも速く無いし
サポート体制も整って無いケドも
そんなコトは構わず、走り続けてる。
"人間臭い"っちゅう"かっちょええ表現"が当てはまる。

一方で、先日
とある老齢の落語家が高座を降りた後で…

「納得出来る喋りが出来ん。」

っちゅうコトで引退を表明した。

そのヒトは病に倒れ
リハビリを乗り越えて高座に上がり続けた。

その日、自身が得意な長丁場のネタを
途切れさせるコト無く最後までやり遂げたそうやけども…

「ダメですね。呂律が回らない。」

っちゅうコトを自ら感じたそうで
自分の納得する喋りが出来んっちゅうコトを
しきりに話してたそうである。

傍目から見て…

「なんで?」

っちゅう風に思えても
我がではハラが立つ程、得心行かんコトって
ぎょうさんある。ワシなんかそんなんばっかり(笑)。

ワシも音楽を止めると決めた時に
いろんなヒトが引き止めてくれた。

「また練習してやろうや!」
「まだまだ伸びるよ!」
「楽しんでやったらええやん!」

「ワシが止めても誰も困るワケや無いしなぁ…(笑)」

っちゅう風に思てたさかいに正直ビックリした。
中には、長いコト説得してくれて
刺激を与えようと自身が参加する
ライヴに誘い続けてくれたヒトも居った。

それでも、ワシのキモチは変わらんかった。

"自分だけしか理解らん感覚"

誰にでもあると思う。

それぞれの"着陸"の仕方って
ホンマに"十人十色"なんやろうなぁと改めて思った。

ワシも音楽は…

「才能が無かった。」

っちゅう風にスンナリ諦められたケドも
単車だけはずっと乗ってたい。

それドコロか単車でやりたいコトが
ぎょうさんありすぎて
まだ全然手を付けて無いコトが多過ぎるさかいに
まだまだ止められん。

"恥をかく前にキレイに…"
"ボロボロになるまでやりたい…"

どっちも理解出来るし
どっちも否定出来ん。

"墜落"になるかも知れんケドも
それもひとつの"着陸"のカタチである。

なんにせよ…

それぞれのヒトがそれぞれのカタチで得心できたら…

それがいっちゃん…

"かっちょええ!"


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