キバとヒゲがモノをいいます
連敗街道まっしぐらの阪神。猛虎と呼ぶにはおこがましく、すっかり飼い猫状態だったがようやくキバ(掛布)とヒゲ(田淵)に復活の兆しが見え始めて虎らしくなってきた。掛布選手の場合は骨折が欠場の原因だったので怪我が治りさえすれば復活に問題なかった。一方の田淵選手は極度のスランプでスタメン落ちしていたが復帰2試合に久々の11号本塁打を放った。10号を放った5月29日以来20日ぶりの一発だった。ただし打順は本来の四番ではなく六番とまだまだ完璧な状態ではないが、とにかく本人も首脳陣も一安心。「ヒジの具合も良くなって左方向へ引っ張れるようになった。これからは大丈夫そうです」と笑顔が戻った田淵選手。
勝率を5割に戻し、遅まきながら首位巨人追撃に出た阪神。甲子園球場での対巨人3連戦(21・22・23日)で掛布選手と田淵選手に一発が出て3連勝してチームのムードは一気に盛り返してきた。「やはりあの2人がムードを盛り上げた。長い辛抱だったけどあとは田淵が四番でバリバリ打ち出したらこれでウチ本来の姿に戻れる。佐野が帰って来れば開幕当初のベストメンバーで戦える。もう一度再アタックですわ」と吉田監督。阪神にとって6月後半からオールスター戦までは反攻の時期。梅雨空の下で息を吹き返した虎が巨人にどこまで迫れるか、前半戦最後の興味である。
即行動せよ!掛布ファン
掛布選手が戦列に復帰して1ヶ月近くになり調子も元通りで絶好調。欠場中は小休止だった掛布ブームが再燃し、どこに行っても " 掛布く~ん " の大合唱だ。大洋と帯同した仙台遠征では宿舎を訪れた女子高生ファンから東北名物のコケシをプレゼントされた。「ここ(仙台)に来るといつもコケシを貰うんです。今回で4つ目です。合宿所の部屋に飾っています」と掛布選手の部屋はファンからのプレゼントで埋め尽くされている。これほどの掛布人気でも勝てないのがオールスター戦のファン投票。目下、三塁手部門では高田選手(巨人)に1万票以上の差で2位に甘んじている。
三塁手部門では他にも衣笠選手(広島)や田代選手(大洋)もいて激戦である。「今年は怪我で長いこと休んでいたので票数が少なくても仕方ないですね。規定打席にも達していないし、成績を比べても高田さんや田代さんに負けています。今年は厳しいです」と中間発表の時点で掛布選手は言っていたが、怪我から回復し徐々にではあるが調子を上げてきている。果たして最終の締め切り時ではどうなっているのか興味深い。全国の虎ファンに告ぐ。ここで掛布選手を後押ししないでいつやるのだ!
四番サード掛布・背番号 31
野球選手にとって四番打者は夢。が、その四番を「今のボクにはまだ無理」と僅か1試合で返上したのが若トラの掛布選手。田淵選手の右手指骨折など中心打者に故障者が相次ぎオーダーが試合毎に変動する非常事態が続き、7月18日の対ヤクルト19回戦で遂に掛布選手の四番が実現した。掛布選手にとって四番はプロ入り4年目で初めて。試合前に山内打撃コーチから「今日は四番を任せた」と言われて掛布本人が一番驚いた。「ハイ」と返事をしたものの、状況が呑み込めずしばらくポカ~ンとしていた。まさか自分に四番の座が回ってくるとは想像すらしていなかったのだ。
さすがの若トラも緊張で第1・2打席は凡退。だがこのまま期待外れで終わらないのが掛布選手の非凡なところ。第3打席に梶間投手から右翼席に10号勝ち越し本塁打を放ち四番の重責を果たした。だが本人は「四番はまだ自分には荷が重い。三番の方が打ち易いです」と四番返上の弁。四番に抜擢した吉田監督は「まだ四番はキツイかなと思ったけどよくやってくれました。でもあまり負担をかけてせっかくの調子が崩れてはいけないので長くはやらせない」と翌19日の対広島12回戦から元の三番に戻した。だがいずれは阪神の四番に座る選手で先ずは予行練習といった「1日四番打者」を経験した掛布選手だった。
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