私がサラリーマン時代に体験した事です・・・
リーマンショック以来、会社の業績は下降線となりました。
当然のことながら、
こういう場合、会社はリストラを始めます。
大企業の経営陣は、
数字だけで物事を推し進めます。
「 従業員を30%減らせ」
「 残業代を50%減らせ」
「 役職手当を50%カットしろ 」
とかいった具合で、
数字がます先行して、リストラに着手します。
そこには、情けなど存在しません。
拷問に近い、過酷な労働を課して、
それに耐えられない者は、
「 どうぞ、ご自由に自主退職してください・・・
替わりはいくらでもいます・・・」
残酷な事のようにも思えますが、
これも、致し方ない事です。
転職の宛がある人間から次々と辞めてゆきました。
自●者まで出る始末・・・まさに戦争です。
過●●したものもいた。
経営者は、会社を守らなければならない責任がある。
人情に溺れていたら、会社が潰れてしう。
経営者は心を鬼にして対処しなければならない。
これが自由競争社会・自由経済の宿命なのかもしれない。
当時、M君という同僚がいました。
M君は、愛嬌があってイイ奴でした。
彼と私は、年が同じという事もあって、
何でも気さくに語り合える仲でした。
会社がリストラを始めた頃、
彼の私に対する態度が豹変しました。
影で、私の足を引っ張り始めたのです。
それは、彼の保身の為であることがすぐに分かりました。
賃金の高い役職者は、まず第一のターゲットになる。
人件費削減の為、何か理由を探し、降格させる。
彼と私は、同じ職位で、同じ部署。
事業を縮小しているので、
どちらかが降格、若しくは左遷される・・・
それは、会社の状況から察するに明白なことでした。
彼も、必死だっただろう・・・
初めは、些細な嫌がらせでしたが、
それがだんだんエスカレートして、
大人気ない、露骨な嫌がらせを始めたのです。
それは、私の会社内の評価や、
信頼が損なわることを狙った陰湿なものでした。
「 殺られたら、殺り返す 」
では、自分も彼と同列になってしまう。
相手の土俵に引きずり込まれたら負けだ・・・
私は反撃せず、冷静な態度で、自分のすべき仕事を
淡々と行った。
そして・・・・彼は勝った・・・・
私は負けた・・・・
彼は自分に言い聞かせていたでしょう。
「 自分には守らなければなない家庭がある・・・
そのためには、綺麗事だけではどうにもならない・・
勝たねばならぬ・・・俺はそれなりの努力をして来た・・
ウサギ君より、俺のほうが生き残る資格があるんだ・・・」
私は思った・・・
結果などどうでもよい・・・
どちらが勝とうが、それは大きな問題ではない。
現実に対して、自分がどのような対応をしたのか?
これが最大の問題であり、それは、個人個人に課せられた
課題である。
私は自分自身に対して「誤魔化し」は、しはしなかった。
彼は、心の中で、モッオもらしい理屈を並べ、
自分自身の良心を「誤魔化した」のだろう・・・
彼の脳味噌は、「 自分は悪くない 」と認識しているだろうが、
汚い手段を使う事に対して、
彼の内に宿る霊魂は、それを許すはずが無い。
彼を咎める者は誰一人もいない。
全員が自分のことで精一杯で、
人の事など構っておられる状況ではなかったからだ。
でも・・・・・
彼の内に宿る良心(霊)は全てを知っている。
彼の頭脳は自分を許しても、
彼の内に宿る「霊」は、自分の浅ましさを許さない。
いつか、彼は
自分で自分を裁く時がやって来る。
彼の内に宿る良心(霊)は、
自分にとって不都合な、不運を呼び寄せる思念を発する。
そのエネルギーは、
無意識のうちに、それ相応の不運を呼び寄せる。
これを「 自己処罰 」という・・・
詰まるところ・・・
善・悪の問題ではない・・・
そんなことどうでも良い・・・
善悪の基準など、「 時 」「 人 」「 場所 」
によって簡単にひっくり返る。
正義とか、道徳とか、信念とか、そんな重いお話ではない。
自分にとって得か? 損か?
・・・ただそれだけの問題だ・・・
わたしは、
彼が悪い奴であるとは思っていない。
ただ・・・
彼は、損得の判断を間違っているだけであると思う。
仮に、彼の陰謀が無かったとしても、
私が負けていた可能性もある。
もし、そうならば、彼は無駄な損失を自らが
創り出しただけのことになる。
お気の毒にも思える。
(皮肉ではありません)
神は人を裁かない。
自分の運命は、自分の選択に委ねられている。
天罰など無い。
恐れるべきものは、自分の良心
自己の内に宿る神の声