名古屋の白ウサギ・1964年生・

自称、宗教家・宗教家は、職業ではなく「生き方」です。
職業・会社員

最大の防御方法・・「 礼三息」

2024-10-16 | その他


小笠原流礼法に
「 礼三息」
( れいさんそく )

という作法があります。



① お辞儀をする時,
息を吸いながら前傾。

② 止まったところで 息を吐く。

③ 息を吸いながら 元の位置に戻る。

 ここで一番肝心なのは、
① の「息を吸いながら頭を下げる」ことです。



「礼三息」の作法は、
武道の世界でも重要視されています。

直立した姿勢で、この作法でお辞儀をすると、
その瞬間、
自分の身体に大きな異変が起きる。

その異変とは、言葉にするのは難しいが、
例えて言えば、
「腰が痛い時、腰痛ベルトで
腰の部分を引き締めたような感覚」

「シャキン!!!とする」

これは気分的な感覚ではなく。

実際に油断していた身体が、
一瞬にして
「防御態勢に切り替わる」

 これは、あくまで「防御態勢」であり、
「攻撃態勢」ではない。

即ち、「防御こそが戦いである」
という事を示唆する現象であると思う。

どうしてそうなるかは分からないが、
ある程度 武道の心得がある者なら、
体感する事であると思う。

即ち・・
武道はスポーツではなく「道」である。



私は以前、電気工事の仕事をしていました。

電力会社の業務を代行する仕事で、
電力会社から指定された家を訪問して、
電気メーターを取り替えたり、
配電の保守・メンテナンス
をしたりする仕事でした。

この仕事では、
時々ではあるが、訪問先のお客さんに
謂れのない事で難癖を付けられたり、
言い掛かりを付けられたりすることもありました。



「お前ら・・良い給料もらいやがって・・
俺は電力会社が大嫌いなんだ!!!」
とか・・
(私の場合・・電力会社の下請けであり、さほど良い給料を貰っている訳ではない)



「おまえ、予告もなしに訪問すとは非常識じゃないか!!」
(必ず事前に電力会社から通達が郵送されている)



無茶な言い掛かりを付けて来るお客のほとんどは、
老人だった。

なかには、
「ヘルメットを被って訪問するとは失礼ではないか!!!」
「おまえ!!目つきが悪い!!」
「足音がうるさい!!!」
「音を立てるな!!!」
「昼寝の邪魔をしやがて!!!お前!!何様だ!!!」

などと言いだして、
突然、怒りだして掴み構って来る老人もいた。

かなり、頭に来るのだが、相手は「お客様」である。

あくまで低姿勢を貫かなければならない。

理由はどうあれ、トラブルになると、
時間ロスになる。

歩合制なので、
時間をロスすると大きな損失となる。

喧嘩は御法度、
反撃も御法度、

どうにもならない場合は、プライドなど捨て去り
ひたすら逃げるしかない。



「逃げるが勝ち」



この仕事を始めた最初の頃はそうせざるを得なかった。

しかしながら・・・逃げた後の処理が大変である。

その家の仕事を放棄する訳には行かない・・

後日、また訪問して、
説得して工事をやらせてもらわなければならない。

ある程度仕事に慣れて来たとき、
フト思いついた・・

そして試してみた、



お客さんが、
不条理な言い掛かりや難癖をつけて、
攻撃して来たとき・・・

「 礼三息」でお辞儀をして、
そのあと、相手の眼を直視する。



効果は抜群だった・・・・

不思議なことに・・
「 礼三息」でお辞儀をして、相手の眼を直視すると、

今まで怒り狂っていたお客さん(特に老人)は
急に大人しくなる。

興味が出てきて、色々な方法を実験してみた。

 試しに、息を止めてお辞儀してみた。

相手の怒りは治まらない・・

 ある時は、息を吐きながら頭を下げてみた。

やはり・・効果は薄い。

この時・・
単に頭を下げただけでは駄目であるとが分かった。

「 礼三息」の「型」通りにやらなけらば意味がないことが分かって来た。



① お辞儀をする時、 息を吸いながら前傾。

② 止まったところで 息を吐く。

③ 息を吸いながら 元の位置に戻る。

  

この経験を切っ掛けに、

これ以外の事でも、「 礼三息」の意義とその応用方法
の探求が始まった。

・・・続・・・・
コメント
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