2年前のジオガイド養成講座の資料を、少しずつ連載している「伊豆大島の動物シリーズ」
12回目は「サワガニ」です。
まずは講師の天野氏作成の配布資料より。(一部省略しています)
「伊豆大島にはサワガニが生息している。
アカテガニやベンケイガニなど、陸上で多くの時間をすごすカニ類も大島に生息しているが、これらのカニは産卵の時期だけは海に入り、大潮の夜に卵を海へ放つ。海ですぐに孵化した幼生は、やがて大きくなると稚ガニとなって海岸に上陸して暮らし始める。
しかし、サワガニだけは一生のうち一度も海へ下らず、メスが腹に抱えた卵から直接稚ガニが孵化する。このような生態を持つものは、国内ではサワガニ類だけである。(本州ではサワガニ1種だが、南西諸島には十数種いる)
海に出ることがないサワガニが、なぜ伊豆大島にいるのか、これも記録などがないためはっきりとわかっていない。しかし一度も陸続きになったことのない海洋島であるので、誰かが食用か何かのために持ち込んだ可能性が高いと思われる。もし今後、大島のサワガニのDNA分析などがなされれば、はっきりする時が来るのではないだろうかと期待している」
資料は以上です。
穴だらけの小石(スコリア)や、目の荒い火山灰に地表面を覆われ、水はけが良く、川のない伊豆大島ですが、所々に湧水がある場所があります。
そしてそういう場所のそばには、「サワガニ」が生息しています。
2018年6月。
元気にチョロチョロ動いていたので目につきました。
2020年9月。
どこにいるか、わかるでしょうか?
写真の一部を大きくしてみました。
水に浸かっているのは、外が暑いからでしょうか?
別個体。
この時も動きが素早くて、写真を撮りにくかったです。
2021年1月7日。
「冬だし、見つからないだろう」と思いつつ、足元の石をめくってみたら…
いました!
寒いからか、水のない岩の隙間に身を隠すように入り、じっとしていました。
周囲には、何者かわからない黒い小さな虫(動きが早くて捕まえないとなんだかわからない)が動き回っていたので、案外食べ物はあるのかもしれません。
もしもサワガニが人の手によって持ち込まれたものだとしても、島内のかなり離れた数カ所で生き続けているのは、不思議な気がします。
でも、サワガニに会えると、なんだかホッとします。
これからも、この小さな生き物が、命をつないでいける島でありますように。
(かな)
12回目は「サワガニ」です。
まずは講師の天野氏作成の配布資料より。(一部省略しています)
「伊豆大島にはサワガニが生息している。
アカテガニやベンケイガニなど、陸上で多くの時間をすごすカニ類も大島に生息しているが、これらのカニは産卵の時期だけは海に入り、大潮の夜に卵を海へ放つ。海ですぐに孵化した幼生は、やがて大きくなると稚ガニとなって海岸に上陸して暮らし始める。
しかし、サワガニだけは一生のうち一度も海へ下らず、メスが腹に抱えた卵から直接稚ガニが孵化する。このような生態を持つものは、国内ではサワガニ類だけである。(本州ではサワガニ1種だが、南西諸島には十数種いる)
海に出ることがないサワガニが、なぜ伊豆大島にいるのか、これも記録などがないためはっきりとわかっていない。しかし一度も陸続きになったことのない海洋島であるので、誰かが食用か何かのために持ち込んだ可能性が高いと思われる。もし今後、大島のサワガニのDNA分析などがなされれば、はっきりする時が来るのではないだろうかと期待している」
資料は以上です。
穴だらけの小石(スコリア)や、目の荒い火山灰に地表面を覆われ、水はけが良く、川のない伊豆大島ですが、所々に湧水がある場所があります。
そしてそういう場所のそばには、「サワガニ」が生息しています。
2018年6月。
元気にチョロチョロ動いていたので目につきました。
2020年9月。
どこにいるか、わかるでしょうか?
写真の一部を大きくしてみました。
水に浸かっているのは、外が暑いからでしょうか?
別個体。
この時も動きが素早くて、写真を撮りにくかったです。
2021年1月7日。
「冬だし、見つからないだろう」と思いつつ、足元の石をめくってみたら…
いました!
寒いからか、水のない岩の隙間に身を隠すように入り、じっとしていました。
周囲には、何者かわからない黒い小さな虫(動きが早くて捕まえないとなんだかわからない)が動き回っていたので、案外食べ物はあるのかもしれません。
もしもサワガニが人の手によって持ち込まれたものだとしても、島内のかなり離れた数カ所で生き続けているのは、不思議な気がします。
でも、サワガニに会えると、なんだかホッとします。
これからも、この小さな生き物が、命をつないでいける島でありますように。
(かな)