グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

今日の勉強会(タンキリマメとツルモウリンカ)

2009年12月17日 | 植物
今日は週一回のスタッフ勉強会の日で、動物公園から行者浜のコースを歩きました。
そしてまたまた新たな発見がたくさんありました!!

全てをここで報告したいところですが、それだとあまりに長くなってしまうので、一部だけ報告します。

まず、今日のヒットはタンキリマメの実です。
実は今年の9月末にこの場所を歩いていた時、初めてこの植物の存在を知りました。
メンバーの家の庭にはこの草が生えているとのことでしたが、私は初対面でした。

白い花も赤い実も茎も毛むくじゃらで〝痰切り“という名前の割には、このまま食べたら喉がイガイガしそうだよなぁ、
なんて思っていました。

毛だらけの花と茎はこちら。


実入りの鞘はこちらです。


そのタンキリマメの鞘がはじけ、ツヤツヤした黒い実が付いていました!

ひとつの鞘の両側に黒い小さな種が2個ずつ付いていて、良く見るととてもかわいいです。
これなら舐めても喉には引っかからなさそうですね(笑)。

そしてもう一つ、今まで見たことのない植物を見つけました。
2枚ずつ並んだ葉を持つツル性の植物。実の形はガガイモに似ているけれど、ガガイモよりずっと細いし…?

スタッフ全員「何だろ?」「何だろう~?」を連発しながら見て歩きました。

限られた範囲の中ですが、あちらこちらからツルを伸ばし、3mぐらいの高さまで這い上っています。
中には他の植物の上に覆いかぶさっているものもありました。

帰ってWEB上で調べたら、ツルモウリンカという名前の、主に九州以南の海岸近くに分布する植物のようです。

島中の植物を熟知している自然愛好会のOさんにも問い合わせたところ、
大島では数年前から目にするようになったけれど、まだ島内2か所ぐらいでしか確認していないとのこと。
南からやってきて北限を広げたばかりなのかもしれませんね。

それにしても最初の種はどうやって海を渡って大島にやってきたのでしょう?

羽毛ごと鳥に食べられて運ばれたのでしょうか?
う~ん、でも風散布する植物って、鳥に運んでもらう必要がないから果肉も付けていないわけだし、
そんなに美味しくないのでは??

それとも、誰かが持ち込んだ土に種が潜りこんでいたとか??
これはあまりロマンのないストーリーですけど…。

いずれにせよ、とても元気にあちらこちらで新しい茎を伸ばしていたので、
これからいろいろな場所で見かけるようになるかもしれません。

リュウキュウアサギマダラの数少ない食草でもあるらしいので、
この草につられて大島でも南の島の美しい蝶が見られる日が来るかもしれませんね(あくまで想像)。


最後に海岸遊歩道の「おお!」と目を引く壁の写真です。


小石の隙間に雨が流れ、土を削るうちこのような壁ができあがるらしいのですが、とても見事な造形美ですよね!
今日は皆で立ち止まって、しばしこの芸術作品を楽しみました。

皆さんも機会があったらぜひ寄ってみてください。
見る角度によって何通りにも楽しめますよ!

(カナ)

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