3月2日に行われた「崩壊斜面植生回復モニタリング調査報告会」の講演を聞きに行ってきました。(参加者は24名だったそうです)
まずは事務局の岩崎さんから「調査地の樹木は、今日どれぐらい伸びていたか?」の質問がありました。
なんと4m以上の高さになっていたようで、その高さを…
木の棒と紐を使って表現!
結局、縦では長さが足りず、横に伸ばすことに…面白かったです😄
環境省からは、調査の経過と報告がありました。
このブログでは何度か報告していますが、ちょっとおさらいを…
2013年10月 土砂災害発生
2014年11月 崩壊エリアの急傾斜地に外来種を含む植物の種子をヘリから散布。
2015年3月 モニタリング開始。
調査場所は、この辺りです。
調査は東京農工大学農学部森林保全学研究室の若原氏の協力を得て、2〜3ヶ月ごとに継続してきました。
このような装置を作って…
植物がどの程度地面を覆っているか、植物の種類や高さ、降水量や流出した土砂の量を測りデータをとってきました。(最近、土壌水分計も追加したとのこと!)
タライで受け止めた土砂や枯葉は毎回、環境省が持ち帰り、乾燥させてから泥と枯葉に分けて重さを記録しています。
乾燥後の枯葉が袋に入っていて、全員のところに回ってきました😄
続いて、東京農工大学農学部森林保全学研究室の若原妙子氏から、「大金沢斜面における土壌浸食とそのしくみ」というテーマで、以下のお話がありました。
お話の中の「地表面は同じように植物が覆っているように見えても、地面の中は違いがある」という映像が印象的でした。
PlotAは、もともと有機物が多いような土で、ヘリコプターからも種子散布されている場所。
細かい根がたくさん伸びていました。
PlotBは、少しサラサラした土で、種子をまいていない場所。
ここは、まだあまり根が伸びていないようでした。
目に見えない地下に、こんなに違いがあるとは…驚きです!
最後に「噴火跡地の緑化工」というテーマで、森林総合研究所 山地災害研究室主任研究員の小川 泰浩氏から、以下のお話がありました。
講演会には、復旧工事を担当する東京都(のジオガイドさん)、一般島民など様々な立場の人が参加していたので、色々な意見が出ました。
ヘリで散布した植物が自宅の庭に生えてきて困っているという意見。
伊豆大島の固有種の種子をとって撒くべきだという意見。
自然は大切にしたいが、速やかな安全対策が必要とされる状況では、ヘリからの種子散布は止むおえない、という意見。
それぞれの立場からの意見が、興味深かったです。
ところで、以前から疑問に思っていたことがありました。
「いつ起こるかわからない自然災害に備えて、伊豆大島産の”パイオニア植物”の種子を、大量に採って保存しておくことは可能なのだのだろうか?」という疑問です。
伊豆大島のパイオニア植物は、ハチジョウイタドリやオオバヤシャブシなど、風に飛ぶ小さな軽い種子を持った植物たちです。これらの種子は何年か、人工的に保存できるのでしょうか?
時間の制約もあり質問できなかったので、講習終了後に個人的に小川氏に聞いてみました。
結果…「保存は無理だろう。種子は1年ぐらいしかもたない」ということでした。
種子の中にはアカメガシワなど、長年土の中で眠っていて条件が整うと発芽できる「休眠種子」と言われるものもありますが、どうやらハチジョウイタドリやオオバヤシャブシはそのようなタイプではないようです。
ということは、いつ起こるかわからない災害に備えて、地元産の植物の種子を毎年採って保存し続けることは、かなり難しそうですね…。
大きな災害が起きた時、安全と、自然への配慮と、経済面とを考え合わせて何を優先して選択していくのか…答えは簡単ではなさそうです。
でも、さまざまな立場の人が意見を述べあえる場があることは、とても素敵なことです。
伊豆大島がジオパークで良かったなぁ〜としみじみ思いました😄
企画・運営された皆様、お疲れ様でした&ありがとうございました!
私は翌日のモニタリング調査現地観察会には参加できませんでしたが、伊豆大島ジオパークのFBに報告が上がっているので、興味のある方はご覧ください。
https://www.facebook.com/search/top/?q=伊豆大島ジオパーク
(かな)
まずは事務局の岩崎さんから「調査地の樹木は、今日どれぐらい伸びていたか?」の質問がありました。
なんと4m以上の高さになっていたようで、その高さを…
木の棒と紐を使って表現!
結局、縦では長さが足りず、横に伸ばすことに…面白かったです😄
環境省からは、調査の経過と報告がありました。
このブログでは何度か報告していますが、ちょっとおさらいを…
2013年10月 土砂災害発生
2014年11月 崩壊エリアの急傾斜地に外来種を含む植物の種子をヘリから散布。
2015年3月 モニタリング開始。
調査場所は、この辺りです。
調査は東京農工大学農学部森林保全学研究室の若原氏の協力を得て、2〜3ヶ月ごとに継続してきました。
このような装置を作って…
植物がどの程度地面を覆っているか、植物の種類や高さ、降水量や流出した土砂の量を測りデータをとってきました。(最近、土壌水分計も追加したとのこと!)
タライで受け止めた土砂や枯葉は毎回、環境省が持ち帰り、乾燥させてから泥と枯葉に分けて重さを記録しています。
乾燥後の枯葉が袋に入っていて、全員のところに回ってきました😄
続いて、東京農工大学農学部森林保全学研究室の若原妙子氏から、「大金沢斜面における土壌浸食とそのしくみ」というテーマで、以下のお話がありました。
お話の中の「地表面は同じように植物が覆っているように見えても、地面の中は違いがある」という映像が印象的でした。
PlotAは、もともと有機物が多いような土で、ヘリコプターからも種子散布されている場所。
細かい根がたくさん伸びていました。
PlotBは、少しサラサラした土で、種子をまいていない場所。
ここは、まだあまり根が伸びていないようでした。
目に見えない地下に、こんなに違いがあるとは…驚きです!
最後に「噴火跡地の緑化工」というテーマで、森林総合研究所 山地災害研究室主任研究員の小川 泰浩氏から、以下のお話がありました。
講演会には、復旧工事を担当する東京都(のジオガイドさん)、一般島民など様々な立場の人が参加していたので、色々な意見が出ました。
ヘリで散布した植物が自宅の庭に生えてきて困っているという意見。
伊豆大島の固有種の種子をとって撒くべきだという意見。
自然は大切にしたいが、速やかな安全対策が必要とされる状況では、ヘリからの種子散布は止むおえない、という意見。
それぞれの立場からの意見が、興味深かったです。
ところで、以前から疑問に思っていたことがありました。
「いつ起こるかわからない自然災害に備えて、伊豆大島産の”パイオニア植物”の種子を、大量に採って保存しておくことは可能なのだのだろうか?」という疑問です。
伊豆大島のパイオニア植物は、ハチジョウイタドリやオオバヤシャブシなど、風に飛ぶ小さな軽い種子を持った植物たちです。これらの種子は何年か、人工的に保存できるのでしょうか?
時間の制約もあり質問できなかったので、講習終了後に個人的に小川氏に聞いてみました。
結果…「保存は無理だろう。種子は1年ぐらいしかもたない」ということでした。
種子の中にはアカメガシワなど、長年土の中で眠っていて条件が整うと発芽できる「休眠種子」と言われるものもありますが、どうやらハチジョウイタドリやオオバヤシャブシはそのようなタイプではないようです。
ということは、いつ起こるかわからない災害に備えて、地元産の植物の種子を毎年採って保存し続けることは、かなり難しそうですね…。
大きな災害が起きた時、安全と、自然への配慮と、経済面とを考え合わせて何を優先して選択していくのか…答えは簡単ではなさそうです。
でも、さまざまな立場の人が意見を述べあえる場があることは、とても素敵なことです。
伊豆大島がジオパークで良かったなぁ〜としみじみ思いました😄
企画・運営された皆様、お疲れ様でした&ありがとうございました!
私は翌日のモニタリング調査現地観察会には参加できませんでしたが、伊豆大島ジオパークのFBに報告が上がっているので、興味のある方はご覧ください。
https://www.facebook.com/search/top/?q=伊豆大島ジオパーク
(かな)
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