昨日、友人のタケさんとMさんと、小雨が降る中CAMコーポレーションの宮崎社長を訪ねてきました。
CAMとは80年代に手作りの高品質メタルミニカーを開発したエンスージアスティックなメーカーで、
その絶頂期に活動を終えた伝説の存在でもあります。
宮崎さんと亡くなられた小森さんが原型の製作を担当し、二人の確かな審美眼、実車に触れて運転して惚れ込んで形を作るという姿勢に今も共鳴するファンが多いのです。
こちらは、宮崎社長が製作しているCAMの名作ディーノを無塗装磨き出しで仕上げたモデル。
「サフ吹いて塗装しちゃえば楽なんだけど、ピンホールがれば一皮むいて、ペーパーで仕上げていくんですよ。凄く手間がかかる」という作品。身近に見ると、塗装したらわからなくなるシャープなエッジや面の張り、アルミ叩き出しのような質感が伝わってきて、凄みを感じました。
「クルマは本物をじっくりと見るじゃない。そして、見るだけじゃなくて中から見るの。走り出すと、意外に取り回しは良くて小さく感じるじゃないか。結構シュッとして、ハンドルはやたら重くて。そう言うのをミニカーに落とし込むんですよ」
とデイトナに付いて語ってくれました。実物は意外にコンパクトなんだよと。実車をリアルタイムで見て乗って、感じる様をミニカーにしていったそうです。
ディーノやデイトナ、GTAはパーツはある程度そろっているので、気が向いたときに袋詰めをしてオークションを利用して再販を考えているそうです。
「CAMは社員は俺しかいないから、気が向いたら箱に詰めていくの。小森さんがいなくなって、小森さんの物を残したくてね。俺が死んだらゴミになっちゃうからさ」
宮崎さんは笑いながらロッカーのたくさんのパーツの仕分けされた箱を見せてくださいました。
幻のCAM、当時製品化されなかったいくつかの製品が陽の目を見ることもあるかもしれません。
こんなシールも出てくるんだよ。と宮崎さん。
当時レジン製だったGTAの内装パーツも、あらたにメタルで作り直したそうです。
GTA、すごくいい形をしています。
Mさんの作った小森さんのエンジンも喜んでくださいました。
こちらが小森さんの最後のお仕事のくろがね四起。
伊東さんたちが最後のフィニッシュを担当されました。
いつも笑顔でお話ししてくださる宮崎さんとの楽しい時間はあっという間、CAMコーポレーション、その佇まいを愛しています。