ここ数年、
有名俳優たちの訃報を耳にするとドキッとする。
自分の年代も「黄泉の国」への待合所に近づいてきた気がするからだ。
数年前の大原麗子さんの時は、宿命というより因果応報のように感じた。
白亜の豪邸に一人。。
整形手術の失敗なども重なり、、孤独死。
男優は離婚をしても、家族に恵まれる人が多い。
それに反して
女優は家庭に恵まれない人が多い。
因果な商売…と思うが、それは違う。
圧倒的に性格や気質が仇になってる。
女優として名を馳せるには才能よりも強運がないといけない。
とてつもない強運と美貌と必死についてくる才能、、
「女優」と孤独と実態のない生活は三位一体のはずだった。
それを打ち破った女優が現れた。
あの「桃井かおり」だった。。。。
◆あの人は今… 女優 桃井かおり◆
久しぶりの日本でのテレビ出演
『スイマセーーーン しあわせデ~~ス♪
末路を見せなきゃいけなかったノニネーーー』
第一声はこんな自虐のカマシ・・・
あれ!?変わんない桃井さん。。。。と思ったら、
翳りと棘のようなものがない。
代わりに
充実してる人が持つ独特のエネルギーとプリプリした顔つきが。
監督二作目となる「火 Hee」の夏公開に向け来日。
個性的は変わりないが、
生き抜くことに覚悟を持った顔になっていた。。
◆主婦と幸せと自由人 at アメリカ◆
昨年、夫になった男性は、
9歳の時にロンドンへバレエ留学した時の同級生。
お互い64歳の結婚。
ここに辿り着いた道のりは、女優「桃井かおり」ではなく、、
アメリカ一般市民としてのスタートだった。
50代に入り、女優としては巧くなった。
が、つまらなくなった、、自分に気付いた。
どう足掻いても19歳からカマシ続けた「桃井かおり」を拭えない。
カマシ捲くったツケは大きく、業界でキラワレ者になってしまった。
なるほど…と思ったのは
同じようにカマシ続けた松田優作は、
死んでしまえば、伝説になる。。
生き残った者は、生き抜かなきゃいけない。
何か作品を作っても、「桃井かおり」という名前は出せない…
そんな混沌とした状況が続いた。
54歳「SAYURI」のハリウッドデビューをきっかけに、
拠点をロサンゼルスに置いた。
50代と云えども、まだ勇気と元気があった。
一般人としてアメリカ社会で暮らし、溶け込んでいくうちに、
実態のある生活の心地良さに気づく。
人種・性別・年令は言わなければ全く分らないのがアメリカ。
5~6年暮らすと、ポツポツ仕事が入ってきた。
そうこうするうちに、去年は5本の映画に出演。
イギリス映画やメキシコ映画に、監督として撮った映画など。
同時に、64歳で結婚。
女優としてベルリンのレッドカーペットで
『運を使いきってる!ピークに来てる♪』と叫んだ。
とうとう映画監督として、世界の舞台に躍り出てきた。
2016年2月12日
第60回ベルリン国際映画祭で、
初監督の2006年長編映画「無花果の顔」がNETPAC賞を受賞。
監督二作目「火 Hee」も同時にフォーラム部門に招待された。
インタビューで
『自分の可能性を信じてきた。明日死んでも、後悔は無い!!
ベルリンに来る度に応援してくれる人が増えてきてる
70歳までに、また来たいデス♪』
◆映画「火 Hee」vs芥川賞作家/中村文則「火」
日本で静かだと思ってたら、こんなエライ展開になっていた。
ワタシはテレビを見るまで全く知らなかった。
日本のテレビで映画「火 Hee」のことを
『ちょっと名作、、
普通の監督には撮れない。。
売春婦なのに プライドを持ってて、、
自分は
あの成れの果てから 巧くすり抜けたなぁ~と
物凄く実感できたお話なんだけどね』
「火 Hee」は中村文則「銃」の中の短編小説を映画化。
ロサンゼルスの桃井邸で10日間で撮影。
衣装も小道具も犬も全部桃井さんちのもの。
監督・脚本・主演が桃井かおり。
上映時間は49分。。
これを聞いただけで原作を読もうと思った。
テレビのインタビューを見終わり、本屋へ。
あっという間に読み終わり、脳みそが朦朧となる「火」。。
本の解説は作者自身が書いていて、
「内容がなかなかエキセントリックで、
こういう小説を書いてる自分をどうかと思うけど、、
(中略)
大多数が喜びそうに計算されたものが多い中、
文学においてこういうものも必要なんじゃないか…」
これを映画にした桃井かおり監督に、
もっと驚いて、、その日は寝込んでしまった。
夏に公開のこの映画。
観切れるエネルギーと体力がいるなぁ…思った。
桃井かおり、やっぱりカマシてんじゃん
恐るべし。。。。。
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色んな人生が、あるのですね☆彡
個性的で明るくて・・・。
監督をやったんですね。楽しみです。
みんなのブログからきました。
詩を書いています・・・よろしくお願いします。