全国交通ニュースブログ

釧路と根室を結ぶ公共交通の衰退ぶり・・・鉄道も都市間バスも

日本最東端の都市である根室市に至る公共交通は衰退の一途を辿っています。

今回は、釧路と根室を結ぶ路線の衰退ぶりについて解説します。

1.JR北海道の花咲線

優等列車が廃止され普通列車(一部列車は快速)のみになって久しいですが、2025/3/15のダイヤ改正では厚岸~釧路間について朝の通学時間帯の列車がなくなります。

JR北海道は2025/3/15実施のダイヤ改正の概要を2024/12/13付で発表しましたが、花咲線については2か月以上遅れた2025/2/25付での発表となりました。

この中で、ご利用状況に合わせて、4本の列車を取り止めますとあります。

 釧路5:35発の根室行 根室5:31発の釧路行 釧路20:37発の厚岸行 厚岸22:05発の釧路行

これでどうなるかといえば、

https://www.hokkaido-np.co.jp/article/1127501/

釧路→根室・根室→釧路とも始発駅を8時台に出て終着駅に10時台に着く列車が1番列車となるわけで、朝早い時間帯の両都市間の移動は鉄道では不可能になります。

そして、このことは「厚岸→釧路を除き朝の通学時間帯の列車がなくなる」ことを意味します。ローカル鉄道の主要な利用者層であるはずの通学の高校生がこの区間では存在しないからこそできる芸当ですね。根室高校は根室駅から離れており、地元バス会社「根室交通」が専用スクールバスを運行しています。

2.都市間バス「ねむろ号」

釧路と根室を結ぶ都市間バス「ねむろ号」が1988年以来運行されています(くしろバスと根室交通の共同運行)。ただ、2006年時点では1日4往復していましたが、2016年時点では「平日3往復・土休日2往復」に減便され、2020/6/15からは事前予約制が廃止されました。そして、ついに利用者減少で国の地域間幹線系統の補助対象<1便あたり5人以上乗車>から外れる事態となってしまいました。

https://www.hokkaido-np.co.jp/article/1014472/

これを受け、2024/10/1からは1往復減便して「平日2往復・土休日1往復」となりました。全て「釧路に午前中に到着し、午後に出発する便」で、釧路から根室方面への需要には対応していません。

https://www.nemurokotsu.com/intercity-bus/#nemuro

平日は医療機関の乏しい根室市や浜中町から釧路市に通院する客が主な利用者層のため、釧路市内で5か所の病院を回ります。そして、平日の根室発5時台の便は、2025/3/15のダイヤ改正で廃止されるJR花咲線の朝の列車の代替手段としてリリース文に明記されています。

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