JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

儀式間近 Vo,1

2015年07月13日 | a-c

さて、さて、今年も7月17日『我が儀式』の日が近づいてまいりました。
カレンダーを見ると金曜日ですねぇ、おそらくは深夜11時頃からその儀式は始まるのでしょう。

「えっ?何の日か分からない????? アンタねぇ何年このログを見てるの?」
てな失礼は申しません。(笑)
改めてご説明しましょう。
1967年のこの日(曜日は月曜ね)我が神は、まさに天へと召されたのでありましたぁ・・・・って、つまりジョン・ウィリアム・コルトレーンの命日であります。
そこで私は毎年・・・・

まっ儀式の話は良いとして、この日を迎えるにあたり今年はどんな話をしようかと考えておりましてね。
「おそらくはこのログで紹介しないだろう」と思っていた二枚のアルバムについて話そうかと(2回に分けてね。)そう思ったわけです。
このくそ暑い中、おそらくは長文になることをお許しください。

1946年7月13日、二等水兵ジョン・ウィリアム・コルトレーンは、メロディ・マスターズのメンバーである4人のミュージシャンとともに8曲のレコーディングを行った。・・・・・

ベン・ラトリフ著『ジョン・コルトレーン ~私は聖者になりたい~』(川嶋文丸訳)の第一章「ウィリー・メイズって誰だい?」は、こんな出だしで始まっています。

そしてその音源が、ジョニー・ホッジスのバンドに在籍していた頃の音源とともにCD化されたのが、『FIRST GIANT STEPS』です。

私も、トレーンの初レコーディングはこれであったろうというこの音源が存在することは、昔から知ってはおりましたが、つい最近まで聴いたことがありませんでした。(オムニバス・アルバム『THE LAST GIANT : THE JOHN COLTRANE ANTHOLOGY』で、初めて「HOT HOUSE」を聴きました。)
ともかく、その時のレコーディング全8曲がこのアルバムには収録されています。

では、「何故そげん貴重な音源アルバムを、このログでは紹介しないだろうと思ったんでぃ」(あんたは何処出身?笑)

このアマチュア・セッションで録音された曲のひとつに、タット・ダメロン作の<ホット・ハウス>がある。
-中略-
水兵たちは一年前に録音されたディジー・ガレスピーとチャーリー・パーカーのバージョンに倣って、何とかうまく演奏しようと努力している。
-中略-
(唯一ソロを取るコルトレーンのアルトに対して)
彼がきしむようなトーンで、もたもたしながら吹くソロは、無様としか言いようが無い。

 

ベン・ラトリフ氏は同書でこう表現しています。
これは『THE LAST GIANT : THE JOHN COLTRANE ANTHOLOGY』の「HOT HOUSE」に対する評価でありますが、他の7曲に関しても、おそらく彼は同様の評価を下していることでしょう。

私が初めてコルトレーン(のレコード)に出会ってから、すぐさま
「トレーンの音だけは、いつ何処で聴いても聞き分けられる。」
と、豪語していたことを思い出します。
その私が、この演奏を聴いたとき、トレーンと認識できたか?
無理ですね。(笑)

多くのジャズ・ジャイアンツが若い頃からその才能を発揮し、認められていった(それがたとえコアな人達からでも)中、二十歳間際の我が神コルトレーンは、こんな有様だったわけです。
つまり、この時の演奏がすばらしいとは、誰しもが思わんだろうということです。

ただね、そんなコルトレーンがここから21年後、1967年7月17日月曜日、ロングアイランドのハンティントン病院で40歳という若さで亡くなるまでに、どれだけの変貌と躍進を遂げていったのか、語るまでもありません。
それはまさに彼の努力が、毛の生えた凡人から我が神にまでのし上げた事実を69年前の今日(7月13日)の演奏が教えてくれるということです。

「あれ、この話、面白くなかった?」
先日、飲みに出かける車中でハッと我に返り、O君にそう言うと
「はい、何も頭に残っていません。」
とほほ、ごもっともでございます。

次回は、もう一枚「おそらくはこのログで紹介しないだろう」と思っていた『COMPLIETE LIVE AT THE FIVE SPOT 1958』について語っちゃいます。
きっと長文よ。

FIRST GIANT STEPS / JOHN COLTRANE
<1-8>
1946年7月13日録音
JOHN COLTRANE(as) メロディ・マスターズ
<9-15>
1954年6月22日録音
HAROLD BAKER(tp) LAWRENCE BROWN(tb) JONNY HODGES(as) JOHN COLTRANE(ts) CALL COBBS(p) JOHN WILLIAMS(b) JAMES JOHNSON(ds) UNKNOWN(vo)

1.EMBRACEBLE YOU
2.ORNITHOLOGY
3.SWEET MISS
4.IT'S ONLY A PAPER MOON
5.SWEET LORRAINE
6.KO KO
7.NOW'S THE TIME
8.HOT HOUSE
9.THRU FOR THE NIGHT
10.CASTLE ROCK
11.DON'T BLAME ME
12.L'VE GOT A MIND OF RAMBLE BLUES
13.DON'T CRY BABY BLUES
14.IN A MELLOW TONE
15.BURGUNDY WALK