JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

窓を開けてもブルースは見えず

2019年05月22日 | m-o

荒れ模様だった昨日から一転、穏やかな水曜日です。
これから一気に暑くなるんだそうで、皆様方には体調を崩されぬようご自愛下さい。

最近はどうにも聞くに堪えないようなニュースが多い中、沖縄工業高校2年の崎元颯馬さんと、埼玉県に住む医師の猪野屋博さんとのお財布紛失を巡るニュース・・・・・・
エエですねぇ、こんなニュースが毎日続けば「戦争で領土を取り戻す」てなこと言うアホの顔も見ずに済むんですがねぇ

さても、今日はお約束の「ジャズ話」第三弾でありますが、ここらでご注意を一つ。ここでの「ジャズ話」は、歳だけいっちょ前に取った未熟者の私が適当に語るお話でありますから鵜呑みにしてはいけません。
まともに、本気で知りたいてなお方は全て忘れ、地道に勉強なさる事をお勧めいたします。

では、「ブルース」ですか
「ブルース」ってなに?と問われて「これだ!」と正確に答えられる日本人、特に私あたりの年代から上の方はどれほどおられるでしょうか?(「ジャズ」ってなに?との問いにはもっと困りますが)

「「東京ブルース」「嘆きのブルース」「君忘れじのブルース」「忘れられないブルース」「遠い日のブルース」
それから、♪窓を開ければ 港が見える・・・♪「別れのブルース」ね、
そりぁアータ、ブルースと言えば、淡谷のり子でしょ」
(今の若い人にはチンプンカンプンですかね。)

もちろん淡谷先生の歌もええんですがね。イメージで日本に入り込んだ音楽の象徴みたいなもんですよね。
ともかく「○○ブルース」てな流行歌が一時期日本を席巻したのでありました。もちろんここでのジャズの要素としての「ブルース」はこれではありません。

そもそも、奴隷として過ごしたアメリカ黒人は、「ワークソング」を歌いながら過酷な労働をこなし、生きていくだけで精一杯であったはずです。しかし、人間それだけじゃ気が変になってしまいますよねぇ、まっ信仰に頼ったのもその表れではありますが、
『我が願望』『我がかなわぬ夢』『欲望』そういったものを自分に言い聞かせるように歌う、
これもまた一つの心のはけ口であり、救いであったのかも知れません。

そういった中から思いを込めた三行詩、つまり1行四小節、全部で12小節の歌詞が生まれます。
これをボソボソッと歌ってたんでしょうねぇ
「ほら、現実逃避する時妄想に耽ったりするでしょあれみたいな、え?しない?それは貴方が本当の地獄をまだ見ていないからだ!」
んなこたぁありませんか。

さて、この歌詞が乗っかったメロディーですけど、これがいわゆる「ブルース」?であります。 と、分かったように言ってますが、
「あたしゃ、音楽の授業で縦笛も吹けなかったんだら」
威張るこたぁありません。
そんな私が分かる程度で説明しますと

 ♪ドはドーナツのド レはレモンのレ ・・・・♪

「ドレミファソラシド」「C D E F G A B C」いわゆる西洋音階から考えた時、ブルース音階は、EとBが半音近く(けっこうアバウト)下がる音階です。つまり西洋音楽的に言うところの変ホ長調。
「何だ西洋音楽にあるんじゃん」
とおっしゃる貴方、ブルースが面白いのは「節がEとBアバウト半音下げ」なのに「調は半音下がらない。」つまりメロディは短調、コードは長調ってこと、そこが西洋音楽の変ホ長調と全く違う点なんであります。
さらにみなさんご存じの裏打ち、リズムも西洋音楽とは異なります。

まっ私の知る範囲での「ブルース」てぇのはこんなもんですかね。しかし、音楽は「理論よりどれくらい聴き込むか」でしょ、特に私みたいに楽器てな表現手段を全てあきらめた者にとってそれしかありませんからね。
録音に残っているものしか不可能ですが、皆様にも本物をぜひ数多くお聴きいただければと思います。

てなことで、懲りもせず『料理当番、本日の一品』をば

本当はカジキマグロでもあればと思ったのですが、行きつけのスーパーには無くサーモンで手を打ちました。(笑)サーモンソテイ手作りタルタル添えって、そんなたいそうな料理じゃござんせんよ。

それに新タマとアボカドの和風サラダを

さて、今日の一枚は、ジャッキー・マクリーンです。 先日から私、レーベルにちょっとしたいちゃもんを付けている感がありますですねぇ。
このアルバムは「スティープルチェイス」
1972年にデンマークのジャズ研究家ニールス・ウィンターが立ち上げたレーベルであります。そしてこのアルバムが記念すべき第一弾ということになります。
初アルバムがどうして「カフェ・モンマルトル」でのライブ盤だったのか? それはウィンターがここの常連で、毎日通い続け、そのうち録音機材を持ち込み・・・・・
つまりそこから「スティープルチェイス」が始まったから。

その第一弾は半ば引退状態であったマクリーンを引っ張り出し、「カフェ・モンマルトル」常演者ケニー・ドリューをあてがって私家盤として発売されました。
そして 「好評につき、もっと発売しちゃいまぁ~~す。」

てなことで、録音は今一つ(そりゃそうさねぇ、私が「ジャズ話」を語るよりはレベルがずっと上とはいえ、録音技師じゃ無いから) でも、マクリーンは水を得た魚のごとく楽しそうだし、ドリューもノットリます。
「ヨーロッパでのハード・バップ・リヴァイバルは、ここから始まった。」 のでありました。

LIVE AT MONTMARTRE / JACKIE McLEAN
1972年8月5日録音
JACKIE McLEAN(as) KENNY DREW(p) BO STIEF(b) ALEX RIEL(ds)

1.Smile 
2.Das Dat 
3.Parker's Mood 
4.Closing



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