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ターミナルケアマネジメント加算は「看取り」でなく「生きる」支援

2018-03-10 14:14:03 | Weblog
在宅での看取りにかかわる業務に対して今回の改定で新しく設けられた加算にターミナルケアマネジメント加算がある。

ターミナルケアマネジメント加算の算定要件をみるまえに、在宅での看取りという支援を考えていたい。
この加算の期間として死亡日又は死亡前14日としているが、医師などから死亡が迫っているとか、脈が触れにくく、触れても弱く早い、呼吸が浅く顎であえぐとかの病状の発生から準備をして在宅で看取ることができるのだろうか。

ターミナルケアマネジメントは、看取り支援ではなく、「生きる」支援だ、
その方が最後までどう生きるか、どう生きたいか、を支援していく行為がターミナルケアマネジメントだといえる。

「生きる」ための支援と見るならば、ターミナルケアマネジメントは加算で示した死亡前14日から始まるのではないことになる。

ターミナルケアマネジメントは病院に入院しているときから
在宅に戻るか、このまま病院にとどまるか、
在宅に戻るとどうすると在宅で療養ができるか、
急変したときの対応はどのようなものになるのか、
そして
入院中ならばどうなるのか、
を説明して本人や家族がどうしたいのかに
添うように支援をまずは行っていく。

そのうえで在宅に戻って訪問医療や訪問看護、介護を利用しながら生活していくなかでも
本人や家族は悩むし不安になることもあり、その時々でまた説明のうえで選択もできるよう、支援をしていくことなる。

さらに病状が進行して苦しむ時などでも
入院も選べること、このまま在宅でも
と支援し、
ある時に遠方の親戚が見舞いに来たときにも親戚からの無理解なことを言われないためにも説明を繰り返しておくことが欠かせない。

一方、在宅での医師についても、いままで受診していた医師が看取りの経験が少ないとか、在宅でのガン治療に通暁していないような場合には、いままでの医師と本人家族に事情を話して了解のうえで、ガン末期の在宅治療や看取り経験のある、たとえば在支診の診療所に見てもらうようにし、訪問看護も24時間対応であるとか看取りであるとかのことができるところに依頼し、疼痛緩が想定されるときは調剤薬局との関係も作ることになる。
調剤では無菌調剤室や麻薬取扱、24時間訪問対応の有無が大事になり、訪問看護と調剤薬局との調整も大事になる。

これらの準備と手順をして死亡したときに、ターミナルケアマネジメント加算の算定となる条件
末期のがん、在宅で死亡で、
死亡日、死亡14日前以内2日以上の居宅を訪問 、
といった条件のときに、このターミナルケアマネジメント加算に該当することから、加算を算定することになる。

したがって、
ターミナルケアマネジメント加算は、看取りではなく「生きる」支援であり、その「生きる」ことへのかかわりがこの加算に該当したときに算定するものだと考える。
言い換えると、
ターミナルケアマネジメントは、
ターミナルケアマネジメント加算にある条件を行うことではない。

付け加えると、
在宅での看取りでケアプラン変更とその提供と変更に伴う医療と介護関係者の連絡調整という作業が発生する。
そのうちケアプラン変更と提供はケアマネジャーの仕事だが、医療と介護の関係事業者の連絡調整はケアマネジャーでなくともいい。
そのときそれぞれのケースで医師が中心になって関係者の調整をしていい、訪問看護の看護師が担うこともありで、もちろんケアマネジャーがするときもある。

そして、在宅での看取りは死亡したことで終わりではなく、ある病院の看護師がガン末期の40代主婦の自宅退院を勧め自宅で療養し死亡したことでは、その看護師は退院が果たして良かったのか、悩んでいたことから医師を交えたデスカンファレンスを開催し、そこで医師から「入院して何をするの」の一言でその看護師は悩みが霧散したといいます。

私の叔父が死亡したとき、葬儀にいき従兄や叔母に慰め、お悔やみをこまごま言ってもその時の従兄は自宅に戻る準備でレンタルしてあった介護用ベッドを指して、何度も何度もベッドを使わなかったといったことがあった。

ターミナルケアマネジメントは入院中から始まることを説明したが、本人の死亡で終わるのではなく残された家族への支援として「見返り」の会合も持ちたい。
その会には家族だけでなく医療と介護の関係者も参加すると、かかわったことの結果を振り返り、それぞれが納得できる、気持ちの整理に役立つ。

まとめとして
ターミナルケアマネジメントは死亡間近からではなく
入院中から始まり
死亡して終わりではなく
「見返り」までだ。
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