
ゆううつなクマ
昨日とおとといの朝、続けて明け方に雷が鳴った。
雷の嫌いなクマは、当然じっとしていられない。
ハアハアと荒い息を立て、しっぽを下げて震えていた。
そんなときは、抱いても、なでても、声をかけても、一向に聞く耳を持たない。
自分でもどうしていいかわからないようだ。
稲光も激しくなってきて、とうとう定位置のベッドの下にもぐりこんだ。
雨脚が弱くなるのを待って、何とか散歩に行ったものの、途中でまた大きな雷が鳴り、あわてて家に戻った。
クマは、私の家に来たときから、家の中では絶対に排泄しない犬だった。
だから、どんなに悪天候でも朝夕必ず散歩に出なければならない。
散歩から帰っても部屋に入ろうとせず、ずっと玄関に座り込んだままでいたけれど、そのうち何を思ったか、お風呂場に入った。
洗い場を一回りして、どこにも隠れるところはないと思ったのか、結局また二階のベッドの下にもぐり込んでしまった。
食事は、いつも3匹揃ってする。
クマは朝の散歩があるから、ハイジと勘九郎はクマが帰るのを待っている。
でも、今朝は、クマがどうしても降りてこないため、2匹で食べた。
その後、何回かクマに食事をさせようとしたけれど、どうしても食べようとはしなかった。
もう、雷は治まっているように思ったけれど、クマには遠くで鳴っている雷の音が聞こえているのかもしれない。