無題・休題-ハバネロ風味-

私の視線で捉えた世の中の出来事を、無駄口、辛口、様々な切り口から書いてみました。

筆甫(ひっぽ)の阿弥陀堂展

2006-06-05 21:42:29 | 建築・都市・港
私の高校の同級生が、鶴岡市で画家をしている。
風景画も描くが、植物の水彩画を得意としている。彼女らしさは変わらなくても、どんどん絵の腕前は上手くなってきている。

5月の中に、案内状が届いた。去年の展示会でちらっと話のあった阿弥陀堂の天井画が少し出来たらしい。これを飾るので見に来てと言う内容だった。

宮城県の丸森町の筆甫と言う地区に、小さな阿弥陀堂があったが火事で焼けてしまい、40年ぶりに17軒の地区の人達が寄付しあって再建したのだそうだ。彼女はその阿弥陀堂に、松本在住の近藤さんと一緒に絵を描く仕事を引き受けた。8畳ほどの広さの堂の格天井に、45cm×45cmの絵を64枚嵌め込むのだが、まだ15枚しか出来ていない。天井が出来たら、次に壁には地獄絵と極楽の絵を描くのだそうだ。ちょっと気が遠くなるほど先の話のようだ。

建築の講習会の後、友人と一緒に展示会へ行ってみた。何十年ぶりかで逢う後輩も来ていた。「やぁ~、しばらく!」とは言ったものの、名前が思い出せない。どっちみち結婚して名字が変わっただろうから、ここは言わないでおこう。

天井絵は、杉板に描いてある。この幅の綺麗な木目の材料を、これほど揃えるのは大変だったろうと思ったが、地区の人達が地区の木で建てたのだそうだ。そんな話を聞くとちょっと嬉しくなる。杉板に柿渋で色止めをして、岩絵の具で描くのだが、油絵と違って手直しは効かない。失敗しても、別の木目の板を持って来る訳にはいかないから、一発勝負だって!緊張するよね。

得意の植物画を中心に、他に十二支も書き込むのだと言う。鼠と優しい目をした辰が出来上がっていた。温海名物の赤かぶの葉の上にバッタがとまっている画もあったので、「バッタも十二支?」と聞いたら、「これはオマケだ」と笑って言った。

出来上がったら、どんな阿弥陀堂になるのだろう。ドキドキわくわくする。
コメント
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