「生命の誕生から進化まで、広大な時の流れを超えたロマンを追う一大スペクタクル」と言うのは冗談で、何の話かと言うと、水槽の中に突然発生した生命体の事である。
金魚の引っ越しの際、メダカも陽の当たる窓辺の水槽へ引っ越しさせた。随分と元気が無く、数も減ってしまっていた。やはり健康に育つには、太陽の光は不可欠なのだと、判ってはいたのだが、部屋の仕切の為に長い間ドアの横に置かれていた。主のいなくなった水槽には、水草のバイカモに着いてきただろうと思われる、小さな巻き貝が入っていた。大目に買ってきたバイカモも、2つの水槽だけにいれるのでは多すぎたので、巻き貝と水草だけの為に、濾過器のゴポゴポも入れて置いた。
牛渡川
たとえ、水草だけとは言っても、この濾過器は伊達ではない。以前、牛渡川から貰ってきたバイカモも、バケツの中に入れて置いただけでは、すぐに腐ってしまった。丁度知り合いがいて、「そんなに沢山いらない。」といったのに、どっさり刈って渡してくれたのだ。バイカモは食用にもなるのだと聞いていたが、食べる勇気はなかった。バイカモと一緒に水中昆虫も着いてきた。水の中をビビビビッと泳ぐ昆虫に、金魚たちは大喜びして追いかけ、パクッと食べた。危険を察知して何匹かは、砂の中に潜って姿を消した。それはもう随分と前の話で、牛渡川にも行かなくなったし、水槽も根こそぎ洗ったりで、巻き貝しかいなくなった。魚のような動く物がいないと、水槽を覗き込んだりしない。時々水を換えたり、水槽の側面を雑巾で擦るくらいで、まったく気にも止めていなかった。
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ある日、電話をしながら何気なく水槽を見ると、硝子に白い茎のようなものが着いていた。目を凝らして見ると、そいつが動いたではないか。トビケラのような虫が這っている。形はエビフライのようで、尻尾の先がピンと2本伸びている。水槽の底を見渡すと、1匹2匹ではなさそうだ。「何処から来たのか。」これがタイトルの最初の部分である。考えられるのは、バイカモを買った時に、卵が着いて来たのではないか。これは証拠写真を撮らねばと思い、近づいてシャッターを切ったが、小さすぎて何度やってもピンボケになった。
ついに、今日網ですくって、薄底の皿に入れてみた。私は昆虫の事はわからない。トンボのヤゴに似ている気もするのだが、さっぱりだ。釣りをするS氏もフライが専門じゃないから判らないのだと言った。ヤゴだったら良いな。羽化して空を飛んだら良いな。青くて細い糸トンボだったら良いな。それにしても、君たちは「何処へ行くのか」これがタイトルの最後の部分になったのだ。
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↑「知ってるよ。」と言う方、是非教えて下さい。
金魚の引っ越しの際、メダカも陽の当たる窓辺の水槽へ引っ越しさせた。随分と元気が無く、数も減ってしまっていた。やはり健康に育つには、太陽の光は不可欠なのだと、判ってはいたのだが、部屋の仕切の為に長い間ドアの横に置かれていた。主のいなくなった水槽には、水草のバイカモに着いてきただろうと思われる、小さな巻き貝が入っていた。大目に買ってきたバイカモも、2つの水槽だけにいれるのでは多すぎたので、巻き貝と水草だけの為に、濾過器のゴポゴポも入れて置いた。
牛渡川
たとえ、水草だけとは言っても、この濾過器は伊達ではない。以前、牛渡川から貰ってきたバイカモも、バケツの中に入れて置いただけでは、すぐに腐ってしまった。丁度知り合いがいて、「そんなに沢山いらない。」といったのに、どっさり刈って渡してくれたのだ。バイカモは食用にもなるのだと聞いていたが、食べる勇気はなかった。バイカモと一緒に水中昆虫も着いてきた。水の中をビビビビッと泳ぐ昆虫に、金魚たちは大喜びして追いかけ、パクッと食べた。危険を察知して何匹かは、砂の中に潜って姿を消した。それはもう随分と前の話で、牛渡川にも行かなくなったし、水槽も根こそぎ洗ったりで、巻き貝しかいなくなった。魚のような動く物がいないと、水槽を覗き込んだりしない。時々水を換えたり、水槽の側面を雑巾で擦るくらいで、まったく気にも止めていなかった。
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ある日、電話をしながら何気なく水槽を見ると、硝子に白い茎のようなものが着いていた。目を凝らして見ると、そいつが動いたではないか。トビケラのような虫が這っている。形はエビフライのようで、尻尾の先がピンと2本伸びている。水槽の底を見渡すと、1匹2匹ではなさそうだ。「何処から来たのか。」これがタイトルの最初の部分である。考えられるのは、バイカモを買った時に、卵が着いて来たのではないか。これは証拠写真を撮らねばと思い、近づいてシャッターを切ったが、小さすぎて何度やってもピンボケになった。
ついに、今日網ですくって、薄底の皿に入れてみた。私は昆虫の事はわからない。トンボのヤゴに似ている気もするのだが、さっぱりだ。釣りをするS氏もフライが専門じゃないから判らないのだと言った。ヤゴだったら良いな。羽化して空を飛んだら良いな。青くて細い糸トンボだったら良いな。それにしても、君たちは「何処へ行くのか」これがタイトルの最後の部分になったのだ。
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↑「知ってるよ。」と言う方、是非教えて下さい。