ミシュラン星2つ獲得予定の羽黒山には、毎年初詣に出かけている。今年は飼い犬の具合が悪くて、とても留守には出来ない状態だったので、私が留守番組に回ることにした。残念ながら、我が家に17年もいた柴犬のプチは、1月に葬式を上げる事になってしまった。歩けない。手足が腫れてくる。皮膚病も治らない。老衰とは言え、自分の身が自由にならず、寝ているだけの毎日は、さぞ辛かっただろうと思う。今は、様々なしがらみから解放されて、好きなだけ野山を駆けめぐっていると思う。
そんな訳で、今回は私一人がスーパー農道を走り、羽黒山に向かうことにした。羽黒山の向こうに、月山が見えた。ただ山頂が近づくにつれて、雲がかかり、写真を写すことは出来なかった。
羽黒から立川に抜ける道路から、羽黒山有料道路の左へ曲がる。
普通自動車料金400円を払い。
気持ちの良い原生林や杉の大木の間を抜けて、羽黒山頂の駐車場に着く。国宝の五重塔があるのは、羽黒の宿坊が並ぶ門前町から、長い石段を登らないと行けない。季節の良い時期なら、足で登る事も出来るのだが、この冬の時期は雪山登山の支度をしないと、とても無理だと思う。
日曜日といえど、さすがに正月とは違い、人出は少ない。それでも大型バスや、県外ナンバーの車で賑わっていた。駐車場脇の茶屋店は、雪囲いを掛け、店じまいをしていた。鉄筋コンクリートで出来たレストランとお土産屋だけは開いているようだ。手を清め、奥の社殿へ向かう。
雪は例年よりも少ないと思う。でも、大きな屋根からの落雪は危険なので、本殿には直接行けず、社務所の廊下伝いに向かう事になる。
この雪囲いの下にあるのは、この羽黒山神社を開いた蜂子王子を、日本海の由良から案内したと言われている、三本足の鴉である。蜂子王子(はちこおうじ)は、崇俊天皇の皇子として誕生し、聖徳太子の従兄弟でもあったが、紛争に遭い都落ちをし、出羽の国に来たのだそうだ。
この玄関の真上にある部屋は、皇族の為の迎賓室になっている。玄関で靴を脱ぎ、階段を登って廊下伝いに本殿に入る。本殿の中でのお参りは、何年ぶりだろう。本尊と言うか、ご神体は扉の奥に入っていた。参拝者達は囲いのこちら側から拝むことになる。寒くないようにと、ホットカーペットが敷かれていた。梁の上の彫刻は、中国の故事に基づいた物らしい。稚児を2名連れた皇子の像が、白馬像と共に並んでいた。私は蝋燭を買って灯明として並べて来た。実は、この皇子の像を写真に収めてきたのだが、「見せちゃ駄目。」と心の中の誰かが止めるので、ブログに載せない事にしたのだ。