
おくりびとのロケ地の一つとなった映画館「港座」では、6月12日から復活祭が始まる。イオンシネマ三川の建設で、閉鎖を余儀なくされていた港座が、関係者の努力で立ち上がる事になった。
昔、酒田の街には、最多で5カ所の映画館があった。東映、松竹、日活、大映、洋画専門等々、映画館は単なる娯楽施設ではなく、文化の発祥の場所ともなっていた。特に港座は、古くは芝居小屋として誕生し、芝居を楽しみながら食事が出来るような出前や、芝居が終わった後の飲食に、廻りの店が繁盛した。旧町名の台町の発展にも、一役買っていたのである。

家庭へのテレビの普及で、映画館は衰退していった。子供の遊びからも紙芝居は廃れ、集団で駆け回る子供達の笑い声も聞こえなくなった。人々は時間に追われ、VTRやDVD、ホームシアターが、ますます映画館への足を遠ざけていった。
おくりびとの影響で、無料開放された港座を訪れた市民は、活気のあった自分たちの良い時代を思い出したようだ。懐かしさが、港座復活を後押する切っ掛けになったのだろう。酒田市の中町では、時々往年の名画を上映していたようだが、これからは港座がその役割を負うに違いない。復活おめでとう。
港座・酒田台町シネマストリートでは、復活祭の詳細が載っている。いっぺんにこれだけ沢山の映画を上映するの?どれを見たら良いのだろうか、どきどきしてしまう。