無題・休題-ハバネロ風味-

私の視線で捉えた世の中の出来事を、無駄口、辛口、様々な切り口から書いてみました。

建築士会・おくりびとツアー2

2009-06-14 19:10:31 | 映画・TV

午後からは、三川町のアトク先生の家に向かった。農家が多い細い道を何台もの車が列を作ってゆるゆると走る。いつもは静かな農村なのだろうに、おくりびとが有名になって以来、このアトク先生の家に多くの観光客が訪れ、迷惑もしているのだろうと思った。



アトク先生の家は、三川町の三本木にある。アトク先生とは、学校の先生を務められた名物先生で、阿部徳三郎氏、ニックネームがアトク先生なのだそうだ。現在は公民館として使用されている。その為、無料で開放されている。


実際に映画で使われた部屋は2カ所あり、この障子が印象的な部屋と、ルーズソックスをお婆ちゃんに履かせた部屋では、地区の方達が10名ほど集まって囲碁か将棋の真っ最中だった。


広間にはおくりびとのパネルや写真が展示してあった。床の間には、ここを訪れたライシャワー元駐日大使の写真が飾られてあった。


三川町がここを譲り受ける迄、名家と言われたこの家は、庭も素晴らしかった。ゆがみを残す古い窓硝子を通して、睡蓮に覆われた池も見えた。今度もう一度ゆっくり来てみたいと思った。


高い天井の広間には、素晴らしい書院がついていた。あまりに綺麗だったので、撮してみる。柱や長押は漆塗りだった。



庄内平野をビュンビュン走って、最後の目的地の鶴岡市の松ヶ岡の庄内映画村に着く。この松ヶ岡は、明治に酒井藩に仕えていた武士達の職業を変える目的で、この地に開墾場を作った。武士が刀を鍬に持ち替えたのである。この建物も当時の物で、築130年は経っている木造3階建てだ。3階部分を養蚕に用いた。現在5棟が残っている。屋根の瓦は、お城の物を解体して運んだそうだ。軒瓦には酒井家の家紋が入っていた。


映画おくりびとに限らず、山田監督の「たそがれ清兵衛」を初めとする一連の藤沢周平作品や、8月に公開される竹中直人監督の「山形スクリーム」香取慎吾主演の「ichi」など、この庄内映画村が受け皿になった作品は多い。


おくりびとの題字の習作


「私がここのナンチャッテ館長です。」と言って、案内をして下さったのは、映画「おくりびと」の題字を書いた平野さん本人だった。後でポストカードにサインをして貰った。彼は絵が得意で、撮影の最中に俳優さん達のクロッキーを描いていたらしい。他の映画では、絵コンテも描いているのだそうだ。


映画制作の仕組みを説明して貰いながら、彼の作品展示を見て歩いた。絵を描くために俳優さんにポーズを取って貰うのではなく、見た瞬間を頭の中にインプットし、筆を走らせる。


これは、アメリカのアカデミー賞受賞の時に、一緒に渡米し、ニュースの場面には流れなかった授賞式後の「さぁ~、みんなで一緒に飲むぞ~!」と滝田監督がトロフィーを上に持ち上げた時の会場の様子だそうだ。

こうして、内容が盛り沢山のツアーは終わった。予定より1時間もオーバーしているのに気が付いた。残念ながら今回は、七五三掛はツアーには入っていない。
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建築士会・おくりびとツアー1

2009-06-14 18:30:33 | 映画・TV
山形県建築士会の女性委員会では、発足以来毎年「ふるさと探検」を行っている。県内にある8支部を、順に回って建物などの見学会を行っている。今年は旬の「おくりびとツアー」にして貰った。小幡の賃貸契約が1年だと言うので、来年には間に合わない。忘れた頃にやっても仕方がないと思ったので、多少強引に酒田に来て貰うことにした。言い出しっぺは私で、走り回ってストーリーを考えてくれたのは、酒田の女性部長さんだ。


10時半に駐車場に集合して、NKエージェントの小幡へ向かう。総勢28名のツアーの始まりだ。


小幡では、ロケーションボックスのIさんが説明をして下さった。何度か訪れる度に、小物などバージョンアップされている。


鶴の湯の女将さんの葬儀に使われた部屋には、布団も敷いてあり、傍らには白い服も置いてあった。白い衣装の両袖に手を入れて、納棺師の仕草を記念に撮す人の為だと言う。


壁のポスターには、酒田祭りの時に記念講演をされた滝田監督のサインがしてあった。


小幡を出て、日枝神社の境内を歩き、舞子坂へ向かう。この建物は光丘図書館の玄関部分で、鬼瓦は申(猿)の顔に見えた。日枝神社は申とも縁が深い。


港座に入る。港座では復活祭2日目で、スタッフの方々が準備に追われていた。


劇場の中で説明をして下さったのは、若草幼稚園の園長先生、持地院の住職でもある。何とか台町に賑わいを取り戻そうと、港座の復活にも力を入れていた一人なのだ。


港座を出て、山王くらぶに向かう。建築士らしく建物の説明を受けた後、傘福の常設展示の部屋で、女性に戻る。


昼食の時間になったので、予約していた志幡へ向かう。志幡は、NKエージェントの場所になった料亭小幡から暖簾分けをして貰った店なのだ。メンバー達は料理を目にして料金を聞いて驚く。食べきれないと言う人もいた。


志幡は中町店とこの山居町店の2店舗がある。山居町店は山居倉庫の南側にあり、倉庫や欅並木を見ながら食事が出来るのだが、一番山居倉庫に近い部屋は、別の団体が予約していた。


食後の短い時間を利用して、山居倉庫の売店に走る。欅の緑が美しい。


山居倉庫の売店の「おくりびとコーナー」
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