寒い日が続いて、身体の調子が悪くなったのか、母が歩けなくなった。認知症が進んで、物事をするにもぼんやりと考えこむことが多い。順序立てて考える事が不可能になったのだ。寒くならない内は、徘徊が酷かった。昼夜を問わず、玄関に鍵をかけたりバリケードをすると、窓から裸足で飛び出して、歩き回る。真夜中に他所の家にも入りたがる。自分は嫁入り前後の若い頃に戻っていて、実家にいる気分でいる。とにかく他人の迷惑にならないように、みんなで外に出るのを止めた。「歩きまわらんで、テレビ見てて。」と
一日中、座ってばかりいたら、きちんと立ち上がる事も難しくなった。姿勢が保てない。足が前に進まない。徘徊を繰り返して歩き回ることが、足腰を保つための母の抵抗だったのかも知れない。
一日中、座ってばかりいたら、きちんと立ち上がる事も難しくなった。姿勢が保てない。足が前に進まない。徘徊を繰り返して歩き回ることが、足腰を保つための母の抵抗だったのかも知れない。