数日前に、S氏が天童へ行く途中に大石田で、美味しい団子屋さんを見つけたのだそうだ。山形市で行われるJIAの地域セミナーに参加する前に、その団子屋さんへ行こうと言うことになり、S先生と3人で出かけた。前日の暖かすぎる天気とは打って変わって、朝からシトシトの雨である。雨と霧の中、47号線を走る。
暖かい雨が降れば、一気に雪は溶けてしまうのだろう。最上川沿いの道路を走っても、対岸がよく見えないほど、空気は霞んでいた。
ここは本合海付近の最上川である。
猿羽根のトンネルを抜けると、雨が小降りになってきた。尾花沢の銀山へ向かう道路と反対方向へ曲がって、大石田を目指す。
大石田は、最上川舟運で栄えた町で、今もその名残がそこここに残っている。これは町役場の斜め前に建っていたクロスカルチャープラザで、建物が船の形をしていた。
千本だんご屋さんへ着く。左側が店で、続きの右側は工場のようだ。煙突から煙り(湯気?)が盛んに上がっていた。
下屋のベンチには赤い毛氈が掛かっていた。甘い物の店なので客層は女性が多いだろうと思ったらさにあらず、中年のおじさま達が、1本づつ好きなのを選んで、店でお茶を飲みながら食していた。6-7種類の団子があって、注文すると若い女性が目の前で餡をつけてくれる。なかなか美味しい団子だった。おみやげに買ったら、賞味期限が当日で、なるほど次の日には硬くなっていた。
ベンチのそばにあった福寿草
工場の奥に蔵があって、蔵座敷になっていた。「ご自由にお上がり下さい。」とあったので、中に入ってみる。
扉の枠の漆喰仕上げがとても綺麗だった。
漆喰の扉の他に、木製の戸が2枚着いていたのだが、押しても引いても、ビクともしなかった。1枚は欅の引き戸のようだ。

長押の金物が綺麗だった。
天井板は玉杢が使われていた。
襖の絵も手描きのようだ。
この襖も面白い造りになっている。
この襖の富士山の絵も手描きのようだ。
床の間を背にしてお雛様が飾られていた。
桃の節句も近く、村山地方の雛のみちが始まろうとしている。この辺りも、北前船からの舟運で京のお雛様が数多く運ばれ、現在も残っている地域だ。