無題・休題-ハバネロ風味-

私の視線で捉えた世の中の出来事を、無駄口、辛口、様々な切り口から書いてみました。

くじらを所望す

2010-03-18 16:58:47 | 食べ物
シーシェパードとクジラ、アカデミー賞とイルカ、それに最近は地中海のクロマグロが論議を呼んでいる。クジラは子供の時には高い豚肉の代用として散々食べ飽きたし、クロマグロなんて、およばれの時でもないと食べられないし、イルカ肉は見ただけで怯え上がったが、どれも日本の食文化には違いないのだろうけど、私の食文化ではない。

と言うわけで、今回は別のくじらの話である。尾花沢の道の駅では、住民手作りのくじら餅が売られている。普通の餅に比べれば高い。以前は家庭で作られた、山形の最上地方の特産品である。餅米粉や米粉を原料に、砂糖やクルミが入った甘い餅である。白砂糖、醤油、黒砂糖に味噌味と言った具合に数種類の味と色があり、平べったい四角の柔らかい物を、切ってたべるのである。今回買ってきたくじら餅は醤油味で、少しばかり柔らかすぎた。せっかく切って並べても、もとの1枚岩になってしまうスライムみたいな餅だった。

最上地方ではくじら餅を久持良餅と書く。東北地方では青森県の鰺ヶ沢にもあるそうだ。元々は京都あたりのお菓子が北前船でやってきて、本家は消えても地方に文化が残ったと言うことらしい。現在残っている山形県と青森県も、どちらも1本づつ単色になっているが、昔の京都で出来た鯨餅は、下が白砂糖の餅で、上に少し薄く餡の葛が載っていて、断面が黒と白の鯨肉(脂身)のようだと文献に残っているのだそうだ。そうか、それでくじらなのか。これで長年の疑問が一つ解けたことになる。
コメント (8)
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