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長崎市を出て、どこまでも広がるジャガイモ畑の中を走っていく。ここは愛野町。
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ドライブインでトイレ休憩をとる。化粧室の窓から素敵な海が見えたので、走って建物の裏に行ってみた。海に浮かぶ突き出た半島は、戸崎鼻ではないかと思われる。長崎市での昼食でBEERを飲んで以来、バスの中では宴会が始まり、トイレ休憩が盛んに行われることになる。この休憩したドライブインは、先の長崎市の昼食を取った店と同系列だと言う。あえて言うならば、昼食の中華料理はとても美味しかった。残すのが勿体ないと思うほどだった。(実は、太宰府でのまずい昼食とは雲泥の差だったのだ。)
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なおもバスは田園の中を走る。反対側に海が見えた。その海に一直線に伸びるのが、かの悪名高き諫早湾の水門だ。現在はその上を車が行き来できる道路が出来ているという。ニュースの映像で、水門の扉が連続して閉じる所が何度も流された。私は遠く離れた地域に住んでいて、報道だけを頼りに、この水門は閉めるべきではないと、ずっと思っていた。実際にこの地を走っていると、広がる畑、沢と言うか川を挟んだ部分には棚田のような田圃が続く。工業地帯が見える訳でもない。諫早湾の計画の一歩は、農耕地を造る目的だったのだろうと言うのが見て取れた。
そもそも、栽培する作物が我々の地元とは違う。笹の葉畑と見間違うのが生姜畑だったり、普通にミカンが栽培されている。山の畑にざぼんがたわわになっているのには、羨ましいと思った。ざぼんの最大な物は、バレーボール位になると言う。
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バスは島原市に入り、ガイドの指さす方向が島原城だと知り、天草四郎の話を聞きながら「雲仙普賢岳災害記念館・がまだすドーム」に到着する。
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駐車場を挟んだ向こうには、左奥に雲仙普賢岳、右手前には眉山(まゆやま)がそびえている。眉山は1792年に噴火した事があり、その影響で津波が発生し、「島原大変・肥後迷惑」と言い伝えられているほどの災害が起こったそうだ。
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がまだすドームの展望台からは、雲仙普賢岳の全容が見て取れる。
1990-1996年まで続いた雲仙普賢岳の噴火の様子が、この施設で資料として残されている。体験シアターでは、普賢岳を空撮し、記録に合わせてマグマの噴出や移動、火砕流や土石流の凄さを、吹き上げる熱風と共に味わうことが出来た。
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女子トイレと男子トイレの、岩を使ったサイン。直径は600-750㎜ほど。
実はこの施設の駐車場近くに、坂本龍馬がサッカーの青いユニホームを着た像があった。つまんないので入るときには無視をしたが、帰りにはシャッターを押した。情けない映像が残っている。見たい?
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バスは、雲仙港のフェリー乗り場に到着する。
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ここから、熊本港までの乗船になる。
一番左に見える女性が、今回の旅のバスガイドさんである。頭も切れるし、弁も立つ。滑舌も良い。脚の長い女性だった。
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船は岸を離れた。フェリーに乗るのは初めてだ。自動車の入る階は2層に分かれていた。私たちは3階のデッキに移る。
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どこからともなく、カモメが船を追い掛けてきた。目的は「かっぱえびせん」
上手に与えられる人は、手に持ったままの状態で、鳥がくわえていく。下手な人には、そばで船の速さに併せて飛びながら、餌が手から離れるのを待っていた。
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我々も盛んにかっぱえびせんを飛ばす。
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熊本港が近づくと、鳥達は現金なもので、すれ違う船に向かって飛んでいった。
バスが熊本市を走る頃には、辺りはすっかり暗くなってきた。
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全日空ホテルの窓から、夜の町並みを撮す。繁華街は反対側の部屋から見えそうだ。
お幸さんのリクエストにお応えして。
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動くバスの中から、身体を捻りながら撮した1枚。
龍馬がサッカーボールを踏んでいる。
ね、ね!情けない1枚でしょう!