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初代のゴジラが観たくなって、TSUTAYAのHPで探す。在庫があるかは、直接店に連絡をしてくださいと書かれていたので、北店へ電話をすると、店には置いていないと言う。仕方がないので、Amazonで探した。新品はそれなりに、中古もそれなりにした。一番安いのはレンタル落ちの物だ。何だかな~と思って、今度は酒田店に電話をする。すると男性の店員さんが「ちょっとお待ち下さい。」と言って見つけてくれた。すぐに店に走った。
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探してくれた店員さんと話をする事が出来た。自分もゴジラは観たことがあるが、84年版のものであって、54年版の最初の物は観ていないと言う。(ちなみに84年版もゴジラは悪役である。)
子供の頃に港座で観た最初のゴジラは、切れ切れの記憶であっても恐かった。その後のゴジラシリーズでは、他の怪獣相手に正義の味方として戦う側になり、米国映画のターミネーター並みの変身ぶりである。昨年の8月に中町で開催されたゴジラミュージアム「中島春男秘蔵写真展」に行って以来、この最初のゴジラが気になって仕方がなかった。ほぼ1年ぶりに、その目的を果たしたが、終戦から9年目に、この映画が出来たことに驚く。主演の宝田明が、「僕が初めて主役になった映画だ。」と言った時に、「主役はゴジラだ。」と返答した関係者達。スーツアクターとして、酒田出身の中島さんの名演技が光っていた。
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いくら分厚いゴジラスーツを着ていても、ミサイルに当たって爆発するのは熱いだろう。ゴジラが海に帰っていく場面は、本当に水に潜っているが、へたすると窒息するだろう。大道具ではせっかく造った町並みが、気持ちいいほど破壊される。
映画が封切りされた頃には、子供だましだのキワものと呼ばれた映画だが、後の映画作りに影響を与えた作品だと思う。この映画に秘められた水爆(原爆)への恐怖と怒り、平和へ対するメッセージが伝わってくる。それにしても、こんなに画面が暗かったのかと思うのと、出ずっぱりのゴジラを想像していたが、見えない恐怖を駆り立てるストーリーと、何と言っても音楽が凄い。ゴジラのテーマは、現在でも古さを感じない。ドシラ♪ドシラ♪ドシラソラシド♪・・・が、ゴジラ、ゴジラ♪だなんて、忘れられないメロディである。
出ている俳優人も凄い。誰もが若くて驚く。途中出た国会議員で、えらく威勢の良い女性は菅井きんだった。クレジットにはないが、二木てるみも出ていないか。名優の志村喬さんは、いかにも志村さんだった。この人の演技はゆるぎがない。