無題・休題-ハバネロ風味-

私の視線で捉えた世の中の出来事を、無駄口、辛口、様々な切り口から書いてみました。

なんでやねん・建築士の話

2013-10-29 17:38:53 | 建築・都市・港

日本には建築士と言う制度がある。建物を設計出来る資格である。この制度が他国とはちょっと違い、特に欧米で言う建築家とは異なる。建築家は芸術家でデザイナーで都市計画や環境なども一緒にプロデュースする。(日本にも建築家協会はあるが、厳密に言うと建築家は国で定められた資格ではない。)日本にあるのは建築士と言う独特な資格があるだけである。

建築士制度が出来たのは戦後で、戦争で失われた住宅や建物を再建する為、法律に則った仕事をする人の数の必要に攻められ、早急に法律化された。日本の建築の歴史から見れば、築城以外は棟梁と呼ばれる大工がいて、設計も図面を引くのも見積も自ら工事も監督や監理まで、全て出来るのが普通だった。この為、設計だけを担当する建築家は必要とせず、実践力を伴う棟梁からの延長上の建築士が出来たのである。

高度成長も終わり、世の中が平和になると、建物の需要も落ちてくる。その為に政府は、戦後から過剰に増えた建築士や建築業者を減らそうと動き出した。(最近の弁護士の数の増加を見ると、政府が企てた事が必ずしも成功しているとは言えないのだが。) 建築士の試験は年々難しくなり、合格者の数は減るばかりである。それに引き換え、特に設計事務所に所属する建築士の仕事は、むやみに増えた。これでもかと言うほど提出する書類は増え、また事務所への国や県の管理も厳しくなって行ったのである。

実は、この管理の厳しさが、無免許の建築士をあぶり出す事にも成功した。建築の確認業務で書類を提出する際に、免許証の写しや実際に登録された本人かを、データベースで検出する仕組みが出来たからである。さて、前置きはこの位にして・・。ええ~前置きが長すぎる!

 

設計事務所を開設して30年は過ぎた。同じ免許証で確認申請を出すことを繰り返して、何の問題も生じなかった。ところが、今回山形市の某所に提出し、私の免許の番号を照合したら、本人と認められないと来た。なんだって!

要するにこうだ。私の名前は旧字で書かれている。幼稚園までは旧字で通したが、小学校に上がると「この字は使われていないので。」とかなんとか言われて、略字に換えられていた。高校も略字で、2級建築士もたしか略字の登録だったと思う。私の1級建築士の名前も、データベースでは略字になっていて、それではじかれた。結局は本人だと判ったのだが、図面やら書類やらを全て略字に訂正する始末になった。これは面倒だと、免許証の変更を考えねばと思った。

事務所に帰って、免許証を確かめたら、戸籍通りの旧字になっていた。つまり、データベースを入力する際に間違えられたのだろう。建築士会にその由を伝え、免許証のコピーを送った。データベースを訂正するので、運転免許証の写しを送って欲しいとの事だったが。私が存在を否定された事に関して、ちゃんと詫びを入れてくるだろうか。自分達のミスは、しら~っとごまかすのか、少し待ってみようと思う。

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紅葉

2013-10-29 12:51:10 | 動物・自然

久しぶりに高速道路を使って山形へ向かった。土日と雨模様だったのが月曜にはカラッと上がり、車の中はエアコンをかけるほど暑かった。陽光もまぶしくて、Boxからサングラスを取り出す。このサングラスをかけた私は、大泉洋のようだと言われる。褒めてるのか貶されているのは疑問だ。多分に後者だろう。

高速を降りて月山自動車道路を走ると、10月も後半になり急に気温が下がったせいで、紅葉がいつになく綺麗だった。「山が真っ赤に燃えている。こんな紅葉は見たことがない。」と、一人で感嘆の声を上げていた。この日は特に撮す対象はないだろうと、カメラを持参せずにいた。それでも携帯を持っていたので、道路工事の片側通行の時に窓を開けたが、えてしてこんな時には構図も紅葉の色も良くない。旗を振っているおっちゃんが見えるだけである。もう1箇所はトンネルの天井板の撤去工事(どこぞのトンネルの天井板落下で死者が出た為、同じ仕様の月山道路のトンネルは、現在は夜間通行止めで工事中である。)は、トンネルの中で停止したため撮影は出来なかった。

一番標高の高い道路を通過中に、もう紅葉した葉が散り始めているのに気がついて、撮すのは今日しかないと思うようになった。実際に美しかったのは鶴岡側だったが、西川側に入ってちょっとした駐車場に車が集まっているのが見えた。同じ考えの人が多かったに違いない。トンネル脇の駐車場では工事関係者の車や道具で停まれる所が無く、路上駐車は交通量が多いため危険だからである。

車から飛び出した私は、サングラスを外して携帯を向けた。「あれ?」紅葉の彩度がぐんと落ちたのである。燃えるように赤く見えたのはサングラスのせいだとここで気がついた。光が当たっている所と雲の陰になっている部分の色が微妙である。雪を頂いた月山の頂上も、微妙である。

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