5月4日、天気予報は見事に当たった。十二の滝の林道で、車から降りた途端に雨が降ってきた。どうせ20-30分だもの、それに林の中だから、たいしたことはないだろうと、長靴に軍手それにスーパーのポリ袋と云うビギナーな姿で草むらに分け入った。林道の降りた辺りでは人っ子1人、車一台もすれ違わない。林の中からは沢の音や鳥のさえずりが聞こえてくるだけだ。リュックも熊よけの鈴も持って来なかったから、地声で「鯉のぼり♪」を歌ってやり過ごす。
この林道は数年前に道路が崩れて通行止めになり、なかなか解除にならない場所だった。根性のある人ならば、売店のある駐車場に車を停めて、奥まで歩けば必ず山菜にはたどり着く。そんなツワモノが少なかったのだろうか、アイダケやシドケは採り頃をちょいと過ぎていたがふんだんにあった。ポリ袋2枚ではすぐに一杯になった。
この雨が過ぎれば、ワラビは良いだろう。笹竹は伸びきっている。お嬢様ツアーはワラビだなと思いつつ、今年の山菜の成長はずいぶんと早いぞと聞いてはいたが、山の木々や植物の生え具合を見ても、1週間か10日は早いのではと思われた。八重の桜も散り始めている。
山ツツジも見頃だった。やっぱり、ワラビ採りしかないな。
ニリンソウも随分と大きい。
山を下りたら、小雨になった。タイヤに挟まった小石が、カチャカチャとうるさい。次回はマイナスドライバーを持参しなくては。
農家の人達は田植えの支度で忙しい。代掻きの済んだ田んぼから、ニャアニャアと鳴くヤマネコならぬウミネコの声がした。君たちはこんな所まで出張しているのかね。