CS放送で、「超ムーの世界R」と言う番組がある。MCがお笑い芸人 島田秀平で、月刊ムーの編集長 三上氏、超常現象研究家 並木伸一郎氏、サイキック芸人キック、唯一の女性で角由紀子氏が繰り広げるオカルトチックな番組である。UFOやUMA、予言に都市伝説、パワースポットに手相と眉唾物も多々あるも、割り切っているので見ていて楽しい。先月に放送された#24では、キック氏が「最強のお守り」と題した話をした。湯殿山大日坊の即身仏に纏わるお守りだと言うので驚いた。ついでに言うと、キック氏は先にネットで手に入れたが一度紛失し、次は実際にこの寺に訪れて求めた白い布のお守りを見せた。すると、並木氏も「俺も持ってる。」と、少し色が黒くなりかけた同じお守りを取り出した。そうか、最強なのか。
この瀧水寺の即身仏は真如海上人で、朝日村越中山に生まれ、青年時代から仏門に入り慈悲を施して社会福祉に務めた為、生き仏として尊ばれた方で、激しい修行を積み重ね、96歳で生身のまま土中に入定し即身仏になられたそうだ。瀧水寺では6年毎に真如海上人の御衣を取り替える。その衣を小さく刻んで入れたお守りが、最強のお守りと呼ばれているのだそうだ。
湯殿山の即身仏なら注連寺の鉄門海上人が有名で、そこには何度か訪れていた。その注連寺へ行く途中に、赤い大きな看板で大日坊の名は見た記憶があったが、一度も寄ったことはなかった。
朝日村は市町村合併されて、現在は鶴岡市になっている。
本堂は少しだけ高台にある。
水が何とも美しい。
山形県には7体の即身仏を納めた6つの寺がある。やまがたの旅
赤い幟に書かれている「弘法大師開山1200年」とあるように、弘法大師空海の海の文字が、この7体の即身仏の名前に着いている。即身仏が普通のミイラと根本的に違うのは、エジプトのように死後に人工的に加工された物では無い。自らが木食の行として五穀断ち十穀断ちを終え、地面に深さ3m広さ4.5畳ほどの穴を堀り、中央に蓋のついた石棺に置き、そこに入る。回りに木炭を敷き、竹筒で空気を取り入れながらお経を唱え死を迎えるが、最後に漆を飲んで内蔵の腐敗を止めるのだそうだ。弟子達が地上で見守る中、竹筒からお経や鈴をならす音が途絶えると、そこから3年3ヶ月後掘り出し洗い清めて即身仏となられる。
自らが修行し、即身仏になれるように土中に入定しても、全部が全部成功するとは限らない。湿気や水に浸かったりする場合もあるそうで、せっかくの苦労も報われないことになる。真如海上人は、綺麗なお顔立ちをしておられた。
瀧水寺は、女人禁制の頃も湯殿山の本寺として女性がお参り出来る寺で、徳川将軍家の祈願寺でもあった。あの春日の局が三代将軍に竹千代(家光)を推す為に、願掛けをしたと言われている。春日の局に纏わるお宝も残されていた。最強のお守りもそうだが、この寺は願掛けで有名らしい。
入館料を払い、お坊さんの説明を受けながら、本堂から真如海上人の部屋に入った。上人が座しておられる壇の前には、願い事が叶えられたお礼の品や手紙が並んでいた。この部屋が一番清々しい感じがした。
部屋の隅に、昨年の御衣替えの写真が貼られていた。「オカルトのような話だけど。」とお坊さんが語るには、壇から上人様を降ろし御衣を替えると、重さがぐっと増えると言う。それを本堂に移してお経を上げた後は、いつもの重さに戻るそうだが、寺にいてもギョとする不思議な事も多々あるのだそうだ。
御札とお守りを頂く。ちなみに、お守りはインターネット販売もしているが、出来れば是非に訪れて欲しい。パワースポットなのかなと思える程の場所だった。上の絵の描いてあるのは、蓮華の花びらで、御札やお守りを求めた時に貰える物だ。絵柄は5種類あったと記憶している。
帰りは高速道路の下をくぐって降りてきた。
月山ダムは放水中だった。
産直あぐりのツバメたち。
そこから羽黒に遠回りし、漬け物を買う。本当は閉店時間なのに、レジを締めていたのに、無理を言った。
大根の花を撮したりしたから、遅くなったんだ。