この話には前段がある。東日本大震災で被災した南三陸への応援団として、現在も復興市への参加や着物プロジェクト(売り上げを南三陸に送る)で活躍している岡山県笠岡市のKさんが、岡山県でもいつ災害があるかも知れないと、南三陸の町長さんなど関係者を呼んで地元でセミナーを開催しようとした。笠岡市やその周辺の行政関係者に声を掛けても、鼻で笑うごとく殆ど集まってくれなかった。岡山県は、首都を岡山に移動させたら良いと言う程、災害に見舞われなかった穏やかな地域なのである。
その中で、総社市(そうじゃし)の市長さんが、このセミナーに参加し、意識を高めてくれていた。そこに、この西日本の豪雨である。
総社市市長片岡聡一氏のTwitter (合衆国トランプ大統領と同じく、直接Twitterで市民に情報を流している。これも有り難い。)
SNSでKさんからの情報、Twitterで登山家の野口健さんの情報を繋ぎ合わせると、総社市長はとても画期的な取り組みを始めたようだ。まずはペット同伴の避難所を開設。「ペットだって家族だろう。」の気持ちからだが、東日本大震災の時にはペットが被災地に置いて行かれ野生化したり、避難所に連れてくるのを断られたりした。「ペットだって暑いだろう。」とその避難所はエアコンの付いている市庁舎の会議室をあてがったそうだ。
それから、被災地では支援物資の分配が大変な仕事になってくる。必要な物資が皆に行き渡るかもなかなか難しい。当面の水と食料の他、避難場所の数と避難者の性別年齢でも必要物資は異なってくる。そんな中で、市長は「オープンマーケット」なるものを開設した。物資毎に分けられた箱が、屋根のついた場所に並ぶ。ここには欲しい物を貰って行くだけでなく、近隣の被災を受けなかった人が支援物資を何処に持って行ったら良いのか迷うこと無く、この場所に持って来て並べることが出来るのである。発想の転換と言うべきか、この方の考え方は素晴らしいと思う。
そんな中、国会が閉会された。この西日本豪雨災害に必要な「義援金差し押さえ禁止法案(借金のある被災者に渡るべき義援金が、銀行に差し押さえされ無いようにするための法案)」を可決せず、内閣不信任案を提出した党がいる。日本が一番困っている時に不信任案を出すのだと某国対委員長が言ったが、何故「党派を超えて豪雨災害の復旧を行いましょう。」と言えないのか。もし、不信任案が採択されて、衆議院解散になったら誰が責任を負うのか。
追記:義援金差し押さえ禁止法案は7月20日に無事に参議院を通過した模様。なお、この借金とは住宅ローンの模様。