イギリス人写真家フェリーチェ・ベアトの写真集を買ったみた。何冊もあるから辛い。
その中で二冊を取り寄せてみたのだが、幕末や明治時代に一足飛びにタイムスリップして、懐かしさに心がちぎれそうになった。
風景のなんて綺麗なことか。人々が生き生きとしている。時々はぎょっとして、今時分はネットにも載せられないだろう写真にも出会う。
そうか、現代は何をしても自由なのだと思っていたが、表現に対しては意外に縛りが多いのだとも気がつく。言葉狩りもその1つだった。
戊辰戦争で傷つき、大砲の痕でボロボロになった会津城、函館の五稜郭の奉行所はなるほど元通りに再建されたのも判った。江戸を愛宕山から見たパノラマ写真では、大名屋敷の大きくて立派なこと、現在は残っていない江戸城の一部や、数々の歴史的事件の現場にも出向いていることが判る。
鎌倉の長谷の大仏はそのまま(当たり前だけど)鶴岡八幡宮の大銀杏も健在だった。坂匂川の渡しでは、橋を架けずに人力で人を乗せた台(御神輿の台の様な物)も、映画では見たことがあったが、実物を見たベアドも面白がったと思う。
長い鎖国で、独自の文化を築いた日本は、西洋人には何もかもが興味深かったに違いない。この時代の生活は、不便な事が多いだろうとは思うけど、何だか妙に憧れてしまう。