ジニーさんが女将さんをしていた銀山温泉のホテル藤屋が13日、民事更生法の適用を申請した。ジニーさんは2年ほど前から子供達を連れて米カルフォルニアに帰ったままだ。2006年に藤屋が大規模な改築を行った時に、その建物を見て「これはないだろう。」と思ったことと、1泊の料金が3万円台から5万円台と聞いて、そんな高級な温泉旅館には泊まれないと感じたことが、そのまま現実になった。
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昨年の暮れの銀山温泉の入り口。中央奥に見えるのが藤屋。完成した頃に比べると幾分木材の色も落ち着き、取り立てて派手には見えなくなっているのだが。
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銀山温泉の景観は、このような雰囲気の街だ。右側の通路に屋根が掛かっているのは、雪の多い地方に見られる雁木(がんぎ)だ。ここは共同浴場の入り口でもある。
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右側の一本奥が能登屋で、この建物はとにかく凄い。
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川を挟んで両側に白壁と瓦屋根の木造3階建ての旅館が連なっている。道路も早朝など時間を決めて、旅館関係者の車が走るが、日中は歩行者専用の道路にしている。川の上部を横断していた電線を地中化し、見た目の悪い看板を外し、ガス灯を付けた。道路にも様々なタイルなどが埋め込まれ、川には魚を泳がせ、足湯なども設けて歩いて楽しいまちづくりを行っている。
ジニーさんもまちづくりには積極的に参加して、自分の所の宿泊客でもないのに、一緒に写真を撮ったりと、街の顔として銀山温泉には尽くしたのだと思う。他の温泉宿で働く女性達も、彼女の事は悪く言わない。「離婚した訳ではないのだけど・・・。米国にいるようですが、詳しくは知らないのです。」とばかりに、興味津々の泊まり客をうまくかわしていた。
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これは2007年に撮した物。あまりに廻りの景観を無視したデザインに驚いた。夜には中から明かりが多量に漏れ、異質さは増すばかりだったらしい。せっかくのガス灯も台無しだ。
時間が経ち、格子の色も落ち着いたら、景観にも溶け込むだろうと思ったのだが、どうもそうはならないのではないかと、昨年気が付いた。
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藤屋と同じ設計者に依る、銀山温泉のしろがね湯だが、この建物の崩壊の速度が半端ではない。
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オープンしたのが平成13年7月(2001年)だと言うから、驚くばかりだ。
蛇足:藤屋が完成したのを日経アーキティクチャー(建築雑誌)で知った。これはまずい。早く見に行かないと崩れるぞと感じた一枚がそこにあった。建築に携わる人間なら考えもしない事が載っていた。雨水のかかる外部に、集成材が使われていた。集成材とは、木材を接着剤で繋いだ物だ。集成材が崩壊する時にはこの接着剤から起こる。雨ざらしなら加速度が増す。そんな常識がなぜこの建物に通用しなかったのだろう。非常に恐いと思った。
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昨年の暮れの銀山温泉の入り口。中央奥に見えるのが藤屋。完成した頃に比べると幾分木材の色も落ち着き、取り立てて派手には見えなくなっているのだが。
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銀山温泉の景観は、このような雰囲気の街だ。右側の通路に屋根が掛かっているのは、雪の多い地方に見られる雁木(がんぎ)だ。ここは共同浴場の入り口でもある。
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右側の一本奥が能登屋で、この建物はとにかく凄い。
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川を挟んで両側に白壁と瓦屋根の木造3階建ての旅館が連なっている。道路も早朝など時間を決めて、旅館関係者の車が走るが、日中は歩行者専用の道路にしている。川の上部を横断していた電線を地中化し、見た目の悪い看板を外し、ガス灯を付けた。道路にも様々なタイルなどが埋め込まれ、川には魚を泳がせ、足湯なども設けて歩いて楽しいまちづくりを行っている。
ジニーさんもまちづくりには積極的に参加して、自分の所の宿泊客でもないのに、一緒に写真を撮ったりと、街の顔として銀山温泉には尽くしたのだと思う。他の温泉宿で働く女性達も、彼女の事は悪く言わない。「離婚した訳ではないのだけど・・・。米国にいるようですが、詳しくは知らないのです。」とばかりに、興味津々の泊まり客をうまくかわしていた。
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これは2007年に撮した物。あまりに廻りの景観を無視したデザインに驚いた。夜には中から明かりが多量に漏れ、異質さは増すばかりだったらしい。せっかくのガス灯も台無しだ。
時間が経ち、格子の色も落ち着いたら、景観にも溶け込むだろうと思ったのだが、どうもそうはならないのではないかと、昨年気が付いた。
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藤屋と同じ設計者に依る、銀山温泉のしろがね湯だが、この建物の崩壊の速度が半端ではない。
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オープンしたのが平成13年7月(2001年)だと言うから、驚くばかりだ。
蛇足:藤屋が完成したのを日経アーキティクチャー(建築雑誌)で知った。これはまずい。早く見に行かないと崩れるぞと感じた一枚がそこにあった。建築に携わる人間なら考えもしない事が載っていた。雨水のかかる外部に、集成材が使われていた。集成材とは、木材を接着剤で繋いだ物だ。集成材が崩壊する時にはこの接着剤から起こる。雨ざらしなら加速度が増す。そんな常識がなぜこの建物に通用しなかったのだろう。非常に恐いと思った。
遠くからのお客様が潤してくれて
銀山は違う生き方を見つけたのだなあ
と淋しいながらも安心しておりましたが残念です
他の旅館は大丈夫なのでしょうかね
2007年に建築士会の女性部が見学したいと申し込んだら、貸し切りにして泊まってくれなければ見せられないと断られました。昨年、全国大会が山形であって、他の県の建築士会が申し込んだときには、見せてくれたようです。そうか、少し心を入れ替えたのかなと思ったのですが。
建物を建て替える前は、年間の売り上げが1億数千万円あったそうです。そのまま続けていたら良かったのにと思います。
銀山温泉組合のHP
http://www.ginzanonsen.jp/
デザインばかりでなく、しろがね湯の集成材使用の件、うーん、速く古い見かけになって他とうまく協調できるようにしたとか・・・?どっちにしろ、あんまりオツムのいい人ではないような気がします。
集成材が使われているのは、しろがね湯ではなく、藤屋の方です。しろがね湯に使われているのは無垢材で、使うのであればメンテナンスをかんがえて何年に1度は塗装を塗り替えるとかしなければなりません。木材のメンテナンスもなければ、コンクリートからアクが流れ出している(中身はどうなっているのやら)部分も、非常に問題だと思います。
「何これ?」
と軽蔑のまなざしを注いでしまう。
台無し
という言葉がよく似合います。
並はずれな事を、しては、墓穴を、掘ることに
なります。