映画「おくりびと」で観光客が増え、ロケ地となった割烹小幡の前は、連日人で賑わっている。手を付けたくないと言っていた観光課も腰を上げ、持ち主の東京在住の小幡さんからも許可を受け、連休に間に合うように、内部の改造を始めた。通りすがりに見たら、現場の監督さんが知り合いだったので、中を写させて戴いた。
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人間の記憶と言うのは、おぼろげなもので、この小幡の建物を調査した時から、20年は経ってしまっていた。思ってた以上に建物の傷みは酷かった。幾ら、この建物を物置代わりにしていたと言っても、人間が住んでいるのといないのとでは、傷み方もまったく違う。そんな所がまざまざと見せつけられた。
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建物に入っての右側部分。2階に上がる階段と、奥に続く厨房への境に石張りのカウンターが付いている。
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中央のエンタシスの柱。何を改造しても構わないが、この柱だけはいじらないで欲しいと思った、あの漆喰の左官仕上げの柱である。実際にマジマジと見ると、これも傷みが酷かった。
右側の窓は、厨房を見るはめ殺しの窓になっている。左の高窓は明かり取りで、その下まで後ろが土に埋まっている。この壁は土留めと兼用になっていると言えば分かるかと思う。その壁には、植物の根っこが一面を覆っていた。「コンクリートではなくて、石積みみたいだよ」と、監督さんが言ったように、壁の仕上げは剥がれ落ち、防水力もまったくなく、表面は濡れて、苔さえ生えていた。
この壁を利用して下地を組むと、すぐに腐るので、水が流れても良い程の空間を設け、内側に壁を設けるのだと言う。
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左側のこちらの壁は、まだそれほど傷んでいない。
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正面側を向いて写してみた。柱は部屋のほぼ中央に立っている。
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腰壁は、テラゾの加工と漆喰、斑模様の石のように見える物は、人工的な加工品であったが、これを全て塞いでしまうのは、ちょっと勿体ない気がする。
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2階も工事が進んでいるようだった。天井に付いた漆喰の飾りも、ちょっと可愛い。
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人間の記憶と言うのは、おぼろげなもので、この小幡の建物を調査した時から、20年は経ってしまっていた。思ってた以上に建物の傷みは酷かった。幾ら、この建物を物置代わりにしていたと言っても、人間が住んでいるのといないのとでは、傷み方もまったく違う。そんな所がまざまざと見せつけられた。
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建物に入っての右側部分。2階に上がる階段と、奥に続く厨房への境に石張りのカウンターが付いている。
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中央のエンタシスの柱。何を改造しても構わないが、この柱だけはいじらないで欲しいと思った、あの漆喰の左官仕上げの柱である。実際にマジマジと見ると、これも傷みが酷かった。
右側の窓は、厨房を見るはめ殺しの窓になっている。左の高窓は明かり取りで、その下まで後ろが土に埋まっている。この壁は土留めと兼用になっていると言えば分かるかと思う。その壁には、植物の根っこが一面を覆っていた。「コンクリートではなくて、石積みみたいだよ」と、監督さんが言ったように、壁の仕上げは剥がれ落ち、防水力もまったくなく、表面は濡れて、苔さえ生えていた。
この壁を利用して下地を組むと、すぐに腐るので、水が流れても良い程の空間を設け、内側に壁を設けるのだと言う。
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左側のこちらの壁は、まだそれほど傷んでいない。
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正面側を向いて写してみた。柱は部屋のほぼ中央に立っている。
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腰壁は、テラゾの加工と漆喰、斑模様の石のように見える物は、人工的な加工品であったが、これを全て塞いでしまうのは、ちょっと勿体ない気がする。
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2階も工事が進んでいるようだった。天井に付いた漆喰の飾りも、ちょっと可愛い。