山形県が肝いりで始めたエコハウスが完成し、見学会と説明会が行われた。場所は東北芸工大の近くで、大学の駐車場に車を止めて見学することになった。酒田からはKさんとNさんと3人で朝早くから向かうことにする。
使用している木材は全て山形産の杉、山形市有林から伐採したものだ。1階部分のミーティングルームの外壁は、これも山形産の富沢石を使用している。
あれ、ここは22条地域じゃないのか。延焼の恐れラインはクリアされてないぞと、疑問が残る。ちなみに外壁に使った杉は45mmらしい。
エコハウスの特徴は、分厚い屋根と壁の断熱材、屋根の上に載せたパッシブソーラー、暖房と給湯はペレットボイラーを使用している。
ぺレットボイラーはオーストリア製。このお二人はそのETA社の社長と営業担当者である。午後からは説明会の講師になった。
熱交換の為の貯蔵タンク。ここでペレットボイラーからと、ソーラーからの熱交換を行う。前に積まれているのがぺレット1袋10kg。この建物で使用するのは、1-2t/年だと言われている。冬期間を除いてはソーラーで賄う事が出来るからだ。
同じボイラー室にあったペレットの貯蔵庫。これを吸引パイプでボイラーに送る。最大20m離れていてもOKだそうだ。
内部はスキップフロアの2階建て。木部は杉材で壁は30mm、床は60mmを使用している。
壁はプラスターボードにEP塗装、一部漆喰仕上げ。
屋根勾配は3.5/10で、ソーラー設置の有効角度からは緩いが、内部のボリュームからはこれが限度であるとの考えのようだ。トップライトや窓を用いて、1階からの自然対流を利用して換気も考えている。24時間換気はそれぞれ熱交換の換気扇を設置している。
壁厚は内側200mm、外側100mmのグラスウールが入っている。その他、外断熱で空気を動かしている。
窓は全てドイツ製だった。(外部アルミ内部木製サッシ)
設備がオーストリアで窓がドイツだもの、この辺りがちょっと引っかかる。それに負けない技術を持った日本製はまだ生まれていないのかも知れない。一番問題なのは、需要がないことかも知れない。
ソーラーはホンダ製だった。発電部分と温水部分の一部を受け持っている。ソーラーなどのエコポイントで、納期が間に合わないのでホンダになったようだ。エコポイントの弊害は益と比較してどうなのだろうと思う。一時的な駆け込みでしかなく、経済の地盤の支えにはならない気がするのだが。
内覧会は、これから引き続きずっと行われる予定であること。工事期間が短すぎたので、完成図面の手渡しが出来ないことが告げられた。沢山の人に見て貰う事は良いのだが、この建物を完成するための工事費用が高すぎる。一般的な物になるためには、さらなる努力が必要だと思う。建て主にこの建物を見せて、100万円/坪なのですがと言ったら、首を縦に振るだろうか。