朝一番に、すみだ北斎美術館に向かった。最寄り駅は両国である。
両国には、相撲の国技館の他、江戸東京博物館もある。がっつり江戸の文化を楽しみたいなら、この博物館はお薦めである。
奥に見える黄色の帽子を被った建物が国技館である。残念ながら、相撲取りには出逢えなかった。
下町には銭湯も似合う。
すみだ北斎美術館の設計は、妹島和世である。彼女は鶴岡市の文化会館も手がけている。
美術館の開館時間は9時半だが、30分以上も早く着いたので、外観をグルッと巡ることにした。
鋼板が美しい。歪んでいないので、余程の厚みの材料を張ったとみられる。
建物に鋭角にカットされた入り口や通路が見える。まるで皮を剥いていないリンゴに切り込みを入れて、中を自由に歩き回る虫のような気がする。
面白いなと思う。
通り抜けが出来る。
その通路はこのように、Fixのガラス越しに内部が見える。
警備員さんが、時間まで講座室に入って休むようにと言ってくれる。
ここは内部通路の四つ角に当たる。向かいに見えるのは講座室
これが講座室内部である。映像は北斎の版画の色を再現していた。
講座室から通路を透かして図書室を見る。
敷地は公園と隣接しており、そのユニークな形が見える。
こちらは、ミュージアム入り口で、チケット売り場と売店が入っている。
時間になったので、チケット売り場に入る。
建物は、地下1階地上4階からになっている。1階の四方から入れる通路がお判りだろう。
チケットを受け取り、エレベータで4階へと上る。常設展は4階のみだ。
壁にある絵は、先ほど講座室の映像に映っていた物だった。
4階から見おろす螺旋階段も面白い。
館内は、3枚の肉筆画を除いて、フラッシュを焚かねば撮影は可能である。
室内は黒(漆黒ではないと思われるが)だった。
年代別に作品を追っていく。確かに、年代を経る毎に絵の巧さが際立ってくる。若い頃に描いた波の絵はあれ?と思う程である。
作品の他に、タッチパネルが充実している。
これは、版画の完成までの流れを並べた物。
基本、一部屋である。ケースには北斎漫画が並べてある。
パネルには、作品の成り立ちなど、細かい説明がなされている。
晩年の北斎と娘の住む家を再現した物。
時間が幾らあっても足りなかったが、建物の内部を見る為に抜け出す。ここは展望ラウンジ。
展望ラウンジと言うのだもの、遠くを見るべきだった。公園で遊んでいる子供達を見る。ここは建物を切り取ったV字の場所。
椅子部分のみ照明器具が設置されている。壁の色彩は、白に近いグレー。
エレベータで、1階に降りる。正面右がチケット売り場。左がだれでもトイレ。
売店と地下へ降りる階段。
地下には、ロッカールームと一般の人のトイレが準備されている。
トイレの中は、十和田美術館と同じく白のモザイクタイルで統一されている。
ここの螺旋階段も面白い。
桁と手摺りを鉄板で一緒に造っている。鉄板のエッジに当たると怪我をするので、プラスチックのガードが施されている。
しかも、近づいて頭が当たらないように、柵まで用意されている。危険防止の為、仕方がないと言えばそうなのだろうが、せっかくの階段が悲しい。
回り階段の中心は段の奥行きが狭い。そこを利用して着色してあり、見た目にも面白い物になっていた。
売店。床は米沢の図書館で見た物と同じだった。最近はこれが流行か。
売店で自分用のお土産を買う。出来るだけ荷物が嵩張らないようにハンカチにしたが、歌舞伎座でも試飲して美味しかった御茶を買った。これは当たりだった。
外に出て、公園越しに見えたスカイツリー。これが展望ラウンジから見えた筈なのである。
ここには、建築の仲間達ともう一度来ようと思う。なかなか素敵な建物だった。