忠犬ハチ公 モグモグ日記

ヨジヨジ日記 改め モグモグ日記 改め グダグダ日記 です
街に居ても山に居ても、やっぱりハチはグダグダしてま~す

前尾根リベンジ@御在所岳

2005年10月01日 22時34分01秒 | テクテク
パラパラパラパラパラパラ
時計を見ると午前4時…テントを叩く雨音で目が覚めた

昨日は期末というのもあって、仕事が超バタバタしていて
天気予報を全く確認していなかったのだが
一昨日に見た時は曇りではあったが降水確率は低かった

きっと通り雨に違いないっ!と思い込むことにして
目覚ましが鳴るまでのあと2時間、しっかり眠ることにした

5分ほどうつらうつらしたつもりが、もう6時の目覚ましっ!
寝ぼけながら顔拭きシートで拭き拭きしつつ
半身をシュラフに突っ込んだまま、テントの外の空の様子をうかがう
だ…

ここまで来て(って寝てたら着いたけどっ)撤退か?と半分落ち込みつつ
お山で朝寝坊も贅沢で良いなぁ~ってのも半分
のらりくらりと準備をしていたら
Yコーチがテキパキと朝ご飯の準備を始めたっ

雷でも台風でもない限り、アルパインに撤退という言葉はないらしい
自分の持ってきた朝食に加えて、Yコーチ定番のでっかいオニギリまでいただいて、いざ出発っ

前回の前尾根と同様、2人パーティなのでシングルロープ
ダブルロープでの練習もしないとな…と思いながらも
慣れたシングルロープで登ることに集中できるのは嬉しい

小雨の中、レインウエアを着たが、
でも、あまりの蒸し暑さに、登山道からの分岐のところで
上下ともレインウエアは脱いでしまった

前尾根の取り付きをちょっと迷いながらも
見覚えのある最初のピッチの下に到着

前回注意されたように、まずはメットをかぶる
そして、ハーネスを付けてセルフビレイ

現在進行形で小雨が降っていたので、私たち以外に人影はない
前回にははまってしまった最初のピッチというだけでも気が重いのに
今回は更に濡れている…

濡れた花崗岩ってフリクションは利くんだろうか??
確か最初のピッチではまったところはホールドはスローパー気味だったような…
濡れてても出来るのか???
あぁ、不安…

でも、横を見るとYコーチもちょっといつもと顔が違う
「さすがに濡れていると緊張するな」
もしかしたら、自分が登る時に緊張しているYコーチは初めて見るかも…

#私たちが登る時には、ある意味緊張して見ていますが…

ホールドの水をタオルで拭きながらの登攀なのでゆっくりとだけど
それでも確実に身体を上げていく
Yコーチって、確か60歳半ばのはず…凄いなぁ~
私もこういう60歳になれたら良いなぁ~って思う

って、感心している暇はない
濡れているため、ピッチを小刻みに切ったので
もう私が登る番だ

最初のピッチの前半は前回も問題なく行けたんだよね
濡れていてちょっと恐いけど、大丈夫!セカンドだし(笑)

次のピッチが私が前回ハマッタところなんだよな
不安になりながらも、霧雨の中、スタート!!

濡れていて恐いんだけど、前回はどこでハマッタの?ってくらい
普通に登れてしまった

やっぱり、O.S.とR.P.の違いって大きいんだろうなぁ~って
物凄く実感してしまった

次のピッチも普通にセカンドで登らせて頂いたが
小雨から霧雨になり、少しずつ岩も乾いていく気配がしてきた(まだグッショリ濡れ
てます)

3ピッチ目に行くと下部を巻いた先行パーティが居たので
ノーマルルートを外して行くことにしてみた
Yコーチがスラブを登っていく…ピンが少ないっ!!

途中から傾斜の緩い1枚岩壁に出たが、ピンが本当にない
晴れていればYコーチなら口笛で登っていけるところなのだろうが
濡れている1枚岩壁&滑ったら沢筋まで転落…

さすがのYコーチも撤退を決意して
残置シュリンゲでクライムダウンをしてきた

「ハンマーとハーケンを置いてきたのは失敗だった…」
かなり悔しそうな様子

リベンジはいつでも

3ピッチ目、前回、ここならリードできるかも?と思ったピッチ
少しずつ岩も乾いてきたし、リードさせてもらうことになった

やっぱりセカンドとリードは違うっ!!
リードだと視野が急に狭くなっちゃうのか、支点を見つけることができない
結構ランナウトして終了点へ

Yコーチは「支点、イッパイあったでぇ~」とニヤニヤ上がってきた
うぇ~んっ

で、調子に乗って4ピッチ目もリード
でも、途中、チムニーちっくなところを登ろうとすると
内側はぜんぜん乾いていなくてズルズル滑る

ハーケンの見えるあと10cmが恐くて身体を上げられない
ここで滑ったら棚に激突するのは目に見えている

どうしても恐くて、前の支点までクライムダウンして
途中でピッチを切って、Yコーチに上がってきてもらって
リードを交代してもらった…
ヘタレだ…

Yコーチも「確かに滑るなぁ~」とは言っていたけど
何の問題もなくアッサリ登って行ってしまった

で、セカンドで取り付いたら…これまた私もアッサリ登れた…
これがリードとセカンドの違いなんだろうな…精進しないと…

そこでビビってしまったのか、次からはまたセカンドでお願いする
セカンドだと問題はないんだけどねぇ~

で、前回はすっかりハマッて進退極まったヤグラ
当然セカンドだが、今回はリベンジ

1ピン目はヌルヌルに濡れていたのでA0させてもらったが
前回ハマッタところは、ムーブも分かっていたのでアッサリ完登
良かったぁ~~っ

ヤグラを登ると一瞬ガスが晴れた
下は雲海、上には国見尾根、藤内壁…まるで3000m級の岩を登った気分

2度目の前尾根は、どちらかというと技術的&精神的リベンジ!色が強かったが
それだけじゃ終われない
前回と違う顔を見せる景色、達成感、でもちょっと前とは違った悔しさも…
ほんっと、山の懐は深い

しかし、この感動だけでは終わらせてくれないのも山
前回以上に現在進行形で濡れている前尾根からの下降路
ガレ場の地面は弛み、ヌルヌルに苔生した岩、掴むと滑る木
道を間違うと冬には蒼氷が張るという一枚岩壁の絶壁
下降路でもビレイして欲しい!と思ってしまった

テントを撤収して下山&帰宅
今回、Yコーチには、行き帰りの運転、ほとんどのリード
ハチのリードでヒヤヒヤ…本当にお世話になりっぱなしでした

でも、今回もアルパインらしい登攀を経験することができました
本当に、本当に、楽しかった恐かったでも、また行きたいっ

Yコーチ、本当にありがとうございました