古い知り合いが1枚の写真を送ってきてくれた
ン十年前に通っていた中学校の写真
他人が見たら、なんでこんな写真?

2階の職員室を出てすぐにある掲示板
中学生の私にとって、大切な場所が2つあった
それが、住んでいたマンションの非常階段とココ
私以外の人間の記憶からは消しちゃいたい
だけど、私だけは忘れたくない、初恋の記憶だ
中学校の入学式の日の前日、私は近所のお兄ちゃんの家に遊びに行ってた
たまたま、そのお兄ちゃんの同級生だったその人が訪ねてきた
その日から、私の視界と思考は彼で占められていた…一目惚れだった
一目惚れなんて、後にも先にも(先はまだ分からないけど)アレっきりだ
外見が好みだった?声が好きだった?ビビっときた?…ううん、違う
そんなのは、好きになった後にその人の一部として好きになっただけだ
もっと目に見えない、魂の奥の柔らかい部分、そこが似ている気がした
本当は目を背けたい、弱くてドロドロなところ
私が勝手に思っているだけだけどね
周りから愛情を一身に受けて育ってきた
『思春期』と言ってしまえばそれまでだけど
とにかく、その頃は、その愛情が重たく、うざったかった
そのくせ、本当は愛して欲しくてしょうがなくて
愛情をもっともっとって求めてた
自分に自信がなかったんだろうね
「たまたま私の親だっただけで、赤の他人だったら愛してくれた?」
拒絶しても、それでも愛してくれるか、確認していたのかもしれない
拒絶するたびに、親の干渉はきつくなった
「信用してくれない」と絶望した
中学から大学で家を出るまで、親との不毛で静かなバトルが続いてた
その頃に出会ったのが彼だった
1時間目が終わると、彼が写真の掲示板にクラスの出欠を記入しに降りてくる
その姿を見たくて、廊下に出てたり、窓を無意味に開けたりしてた
彼の体育の時間には、トイレに行くふりをして、2階から彼の姿を探した
ほとんどストーカーだ
初めは、ただ嬉しくて、幸せで、ドキドキした
でも、こんなんなんで、周りにもバレて、たぶん彼にも伝わって、
そしてきっと、彼も私のことを好きになってくれて、好きだと言ってくれた
そしたら、急に怖くなった
なんで私なんか好きになってくれたの?
こんなこと言ったら嫌われるんじゃないだろうか
一緒に居てツマンナイんじゃないだろうか
怖くて、怖くて、一緒に居るのが苦しくなった
彼と顔を合わすクラブもサボり始めた
休み時間もトイレ以外は廊下に出なくなった
好きで、好きで、たまんなくて
怖くて、苦しくて、どうしようもなくて…逃げた
彼の気持ちなんて、想いやる余裕もなかった
どんな想いをさせてたんだろう…
親と同じように、拒絶しても、それでも愛して欲しかったのかな?私
でも、それなら、そう素直に伝えれば良かった
彼ならきっと、それこそ必死で愛してくれた気がする
彼だって、まだ、14歳のガキだったけど
それでも、包み込めるくらい大きくなろうとしてくれる人だった
愛されることばっかり考えていて、
愛し方を知らなかっただけ…というにはヒドイ話だ
初恋が甘酸っぱいなんて、誰が言ったんだろう?
ハチの初恋は、とろけるように甘くて、
そして、胸の奥がギューってなるほど苦しくて、苦い
胸の奥に残る、ほんの小さなササクレが
ピンっと弾かれた1枚の写真だった
たった1枚の黒板の写真に涙が止まらなかった
人は自分自身が幸せじゃないと、他人の幸せを願えない
今、彼の幸せを願える自分が嬉しい
彼も、私の幸せを願ってくれてるかな?
私のではなくても、誰かの幸せを願える彼でいて欲しいと…願ってます
ン十年前に通っていた中学校の写真
他人が見たら、なんでこんな写真?

2階の職員室を出てすぐにある掲示板
中学生の私にとって、大切な場所が2つあった
それが、住んでいたマンションの非常階段とココ
私以外の人間の記憶からは消しちゃいたい
だけど、私だけは忘れたくない、初恋の記憶だ
中学校の入学式の日の前日、私は近所のお兄ちゃんの家に遊びに行ってた
たまたま、そのお兄ちゃんの同級生だったその人が訪ねてきた
その日から、私の視界と思考は彼で占められていた…一目惚れだった
一目惚れなんて、後にも先にも(先はまだ分からないけど)アレっきりだ
外見が好みだった?声が好きだった?ビビっときた?…ううん、違う
そんなのは、好きになった後にその人の一部として好きになっただけだ
もっと目に見えない、魂の奥の柔らかい部分、そこが似ている気がした
本当は目を背けたい、弱くてドロドロなところ
私が勝手に思っているだけだけどね
周りから愛情を一身に受けて育ってきた
『思春期』と言ってしまえばそれまでだけど
とにかく、その頃は、その愛情が重たく、うざったかった
そのくせ、本当は愛して欲しくてしょうがなくて
愛情をもっともっとって求めてた
自分に自信がなかったんだろうね
「たまたま私の親だっただけで、赤の他人だったら愛してくれた?」
拒絶しても、それでも愛してくれるか、確認していたのかもしれない
拒絶するたびに、親の干渉はきつくなった
「信用してくれない」と絶望した
中学から大学で家を出るまで、親との不毛で静かなバトルが続いてた
その頃に出会ったのが彼だった
1時間目が終わると、彼が写真の掲示板にクラスの出欠を記入しに降りてくる
その姿を見たくて、廊下に出てたり、窓を無意味に開けたりしてた
彼の体育の時間には、トイレに行くふりをして、2階から彼の姿を探した
ほとんどストーカーだ
初めは、ただ嬉しくて、幸せで、ドキドキした
でも、こんなんなんで、周りにもバレて、たぶん彼にも伝わって、
そしてきっと、彼も私のことを好きになってくれて、好きだと言ってくれた
そしたら、急に怖くなった
なんで私なんか好きになってくれたの?
こんなこと言ったら嫌われるんじゃないだろうか
一緒に居てツマンナイんじゃないだろうか
怖くて、怖くて、一緒に居るのが苦しくなった
彼と顔を合わすクラブもサボり始めた
休み時間もトイレ以外は廊下に出なくなった
好きで、好きで、たまんなくて
怖くて、苦しくて、どうしようもなくて…逃げた
彼の気持ちなんて、想いやる余裕もなかった
どんな想いをさせてたんだろう…
親と同じように、拒絶しても、それでも愛して欲しかったのかな?私
でも、それなら、そう素直に伝えれば良かった
彼ならきっと、それこそ必死で愛してくれた気がする
彼だって、まだ、14歳のガキだったけど
それでも、包み込めるくらい大きくなろうとしてくれる人だった
愛されることばっかり考えていて、
愛し方を知らなかっただけ…というにはヒドイ話だ
初恋が甘酸っぱいなんて、誰が言ったんだろう?
ハチの初恋は、とろけるように甘くて、
そして、胸の奥がギューってなるほど苦しくて、苦い
胸の奥に残る、ほんの小さなササクレが
ピンっと弾かれた1枚の写真だった
たった1枚の黒板の写真に涙が止まらなかった
人は自分自身が幸せじゃないと、他人の幸せを願えない
今、彼の幸せを願える自分が嬉しい
彼も、私の幸せを願ってくれてるかな?
私のではなくても、誰かの幸せを願える彼でいて欲しいと…願ってます